あなたをさらいに夜がくる ４【文スト】【深夜廻】

夜廻１５７.馬鹿な「友人」 ページ43

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『‥‥どう、して？』




「自分から助けを求めたのに、そんな顔してどうするの」




太宰さんは私の頭に、ピコンとデコピンをした





「人を救う。それが私の仕事だからね


あんな暗い場所に、君を一人で行かせる訳にはいかない


‥‥約束したのさ。友人とね」





『友人？』




「そう。私の何よりも大切な友人」





私が握った手を、彼は少し握り返して来た





「咖喱が好きで




何時も何処か天然で




呆れる位に優しくて






‥‥最期まで私の事を友達なんて言った、馬鹿な男さ」









「最期」




その言葉に含まれた重みを、私は一瞬で理解した



太宰さんは少し困った様に笑って見せる



‥‥その約束が、きっと今、彼をここに居させているのだろう



「そんな顔しない。ちゃんと守ってあげるから、君は安心して『友達』の事を考えていればいいんだよ」




そう言って立ち上がった彼は、パン！と手を叩くと、部屋を見回した






「はーい。という訳で私はAちゃんといくから」



「はァ！？」




中也が頭に怒りマークが見えそうな勢いで詰め寄った





「ふざけんな太宰手前！」


「男の嫉妬は見苦しいのだよ中也

私はAちゃんから直々にご指名を頂いたからね」



「馬鹿野郎、手前みたいなよわっちいモヤシ野郎一人に任せられる訳ねェだろ！

俺も行くからな！」



「そうしてくれたまえ、中也くん

私としても太宰君一人はかなり不安だ」



「中也も森さんも私の事を何だと思ってるわけ？」




ジト目になる太宰さんに、中也は気持ちわりィと言葉を投げつけた後




「そうだ、芥川。手前も来い」




思いがけない方に指名をした



唐突に呼ばれた龍は目を見開き



「‥‥上司命令ならば」





静かに言い放つと、私の側に来る




「‥‥案ずるな。死なせはしない」




「ちょっと何ちゃっかり芥川君引き入れてるわけ

中也がそのつもりなら私も後輩連れてくから

という訳で敦君」






「呼ばれなくても無理矢理行くつもりでした」




「うん。その意気だ」





太宰さんは、分かっていたとでも言うように微笑んだ



「それでは、情報収集と行こうか」



そして、不安でいっぱいの私に向かって微笑む




「大丈夫。一時間もしないうちに集まるよ


なんて言ったって、ここにいるのは武装探偵社とポートマフィア


情報なら、幾らでも掴まえられるさ」




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