元カレが、何故か毎晩家に来る【夏油傑】

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「外は冷えるねぇ」

「…………」









そう言った目の前の奴は慣れたようにクッションを抱きしめてソファーに横になる

やってしまった、また部屋に入られてしまった。クソ、これで何度目だ私。そろそろ両手じゃ収まらなくなるぞ？いやワンチャンもう収まってないかもしれない、最悪。なんて苛つきが募る中、呑気に録画してあった番組を見てる男が1人。

まてまて、私のその番組録画した覚え全くないんですけど？









「あのさぁ、本当に何なの」

「んー？それよりこっち来てよ、ぎゅってしよう？」

「元カレとそんな事する訳ないでしょ」

「じゃあもう一回付き合おう？」

「それで"はい付き合います"ってなると思う？」

「私はずっとAの事が好きだよ」

「残念ながら私は好きじゃない」









この場に似合わない笑い声が響くテレビをプツリと消す









「夏油、こう言うの止めてって何回も言ってるよね」

「………」

「聞いてるのげと……ｯ〜、傑」

「なぁに」

「なぁに、じゃなくて…あーもう」









馬鹿か私は、もっと言い返せよ

とか思ってはみるが、なぁにって言ってきた傑の顔がやっぱりカッコよくて喉まで出かけた言葉がまた腹に戻っていく。何なのほんと、外で見かける時は何時も涼しげな顔と話し方してる癖に。私の前ではちょっと甘えた喋り方するとか、付き合ってた頃と変わってないのマジで困る。

なんで顔良いの、顔の煌めきで私を殴ってくんじゃねよ









「いいから帰って」

「やだって言ったら？」

「五条呼んで力づくで連れ帰ってもらう」

「…他の男の名前呼ぶのはよくないなぁ」

「別にもう付き合ってないんだから、っちょ…！」









近くに居たせいで腕を引っ張られ
そのままソファーに押し倒される

あ、マズい
普通にマズい









「へいsori！！五条悟に電話掛けて！！！！」

《通話を開始します》

『はいはーい、ナイスガイの五条悟でーす。どしたー？』

「夏油傑を！！回収しに来い！！！！」









そう大声で叫んだ直後、五条の返事を聞く前に切られた通話

切ったのは他の誰でもない、般若の顔をした傑だった










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