なるほど、これが本当の浮気ってやつか【夏油傑】

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叩かれた頬が少し痛む

Aが気にしている事を言ったのは理解していた、それでも僕は彼女を愛したかった、愛してあげたかった。いつも寂しそうな目をするあの子に、少しでも笑って欲しかった。

例え、こんな形になってしまっても









「……なんで、傑なんだよ」









何処かに置いてきた感情が再び顔を出す

なんで傑なんだ、どうして僕を選んでくれなかった
Aが傑と付き合ったと知った時、全てが苦しくなった。おめでとうなんて言いたくなかったし、祝福する気も無かった。それでも僕はおめでとうと笑って言って、2人の関係を祝福した。

親友が、好きな子が、幸せそうな顔をしてたから









こんなクソみたいな世界でも、笑っていられるのなら









そう思って、諦めたのに

行き場のない感情をどうにかしようと唇を噛み締める
クソ、この調子で任務行ったら余計にイライラしそうだな、なんて思っていると突然震え出したスマホ

こんな時に誰だよ…









「はーい、今すっごく機嫌の悪い五条悟でーす」


「…じゃあ今呼び出しても来るつもりはないか？」


「その声、硝子？何呼び出しって」


「取り敢えず気が向いたら私のとこ来い、_____」









血の気が引いた

僕があんな事言ったから？
無理矢理押し倒した時の打ち所が悪かった？

後悔がドッと押し寄せて冷や汗が止まらない









僕は意外にも

無力なのかもしれないな









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