なるほど、これが本当の浮気ってやつか【夏油傑】

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「叩いてごめん、でも分かって欲しい」









ほんのりと赤くなった五条の左頬

こんな私なんて嫌っていいよ。アンタとは付き合えない、愛せないって言う癖に…期待させる様な行動をする私を、心の底から嫌ってよ

頬を撫でる手がほんのりと濡れる









「五、条…泣いてｯ」


「…頭冷やしてくる」









離された手首、解放された身体

五条を泣かせるつもりなんて無かったのに
私って最低だね、本当救いようがない

恋愛なんて、私には難し過ぎるよ









「…はぁ」









深い溜息が溢れる

足取りがなんとなく重くて、息が苦しい
嫌だな、昔みたいにはなりたくないんだけど

ぶり返してきちゃったかな









途端、使われてない空き教室から音が聞こえた









知ってる声、聞きたくない音

なんで高専いるのか、あえて知らないフリをしよう
女の方は多分昼間会った人とは違う人だろうな、だって彼女非術師みたいだったし。ここにいるって事は呪術師か補助監督ってところかな。

…あーあ、抑えられると思ったのに









「ﾋｭｯ…はっ、ぁ"…ﾊｧｯ…」









出来るだけその場から離れて座り込む

誰にも知られない様に頑張ってたんだけどなぁ
あの頃みたいに、愛に怯えないようにさ

結局何一つ変わってないみたいだけど









「あっ…すぐる、く…」


「…っふ、可愛いね」








蘇る声に涙が止まらない

ホント、暖かい愛なんて知らなければ良かった









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