第62話 ページ18
貴方side
それに気がついたのは、案外、早かったと思う。自分でもびっくりしたんだ
起きて、怪我を見た時、それに気がついた。火傷がまるでシミのようになっていたのです
火傷がシミのようになる意味は、大昔、先輩から貸していただいた本により知っていました
前も話したように、命とは火のようで、俺たちが触れるには熱すぎる
触れ続ければ火傷では済まなくなってくるのです、それは例えるなら、、、
呪い
そう呼ばるものによく似たものに変幻し、その体を蝕む
俺の体に現れたシミは呪いに転じた火傷なのだとすぐに察しましたよ
そして己の存在の期限を知った
シミはいずれ全身を包み込むように広がり、この身を蝕み塵になる
それまでどれほどの時間があるかは、俺にもわからなかったけれど
この身は長くは持たないとわかっていた
だから、申し訳ない気持ちと共に、一度でいいから人間になりきってみたいという思いに火がついた
皆さんには最後まで隠し事をすることになってしまうけれど
もういいのです
もうこんなに幸せだから
もうこんなに満足してるから
もうこんなに心が暖かいから
もういいのです
貴:では、これから、正式に仲間としてよろしくお願い致します
そう言って頭を下げた俺に、皆さんは優しく微笑んで「よろしく」と言ってくださった
どれ程仲間としていられるのでしょう、どれ程、貴方達と笑いあえるのでしょう
それはまるで、大きな爆弾を持ったかのような恐怖として俺にのしかかった
でも、俺はやるべき事をやらなければ、この人達がこれから創り出す
未来のためにも
そこに俺はいなくとも、そこが楽園のような幸せな世界になればいい
戦争はなくならずとも、今回のような事で人々がこの世から消え去ることがないようにする
そのために奴、、、黒傷の居場所を探し出し、始末する
それがきっとこの世のため、皆さんのためになるのでしょう
ねぇ、裏切り者の彼よ。最後まで俺はお前の名がわからなかったよ
奴に消された者は、名前すら残らないようであった、そのうち皆さんの記憶からも消える
俺が消える時も、そうなってくれればいいのだけれど、、、
悲しい記憶なんか残らない方がいい、たった数日数週間しかいなかった男のことなど
忘れてしまった方が得策なのですから
でも、どうか、その時までは、何も気づかず、何も知らぬまま
貴:(俺と過ごしてくださいな)
俺の、唯一無二の友たちよ
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ゆき - あ…作者さんありがとうございます。(T^T) (1月4日 14時) (
レス) @page28 id: 3fb3742587 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ - 涙やばい…(´；ω；｀)ｳｯ… (12月2日 15時) (レス) @page28 id: 867516ea99 (このIDを非表示/違反報告)
白夜(プロフ) - 海老天2さん» んふふw (2022年12月5日 15時) (レス) id: 97f8f3a74e (このIDを非表示/違反報告)
海老天2(プロフ) - 白夜さん» やめて…もっと泣かせないで… (2022年12月4日 22時) (レス) id: 33cb616463 (このIDを非表示/違反報告)
白夜(プロフ) - 海老天2さん» ……アフレコしながら読むともっと泣けますよ… (2022年12月4日 10時) (レス) @page28 id: 97f8f3a74e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年8月25日 1時
