【wrwrd！】占い師で死神な彼と我々だ！II【男主】 (ページ17)

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第61話ページ17

貴方side

そう、皆さんに被害なんか及ばない、上公認だから問題ない。

だから。そう、言葉を出そうとしたら、後ろから誰かに頭をチョップされた

驚いて振り向けば、紫のストールを揺らしながら少し怒っているような様子で立っている兄さんがいた

予想外な人物だったため、驚いて何も言えなくなっていれば、彼はこう言った

兄:そう言う話やないやろ？

その言葉の意味がよくわからなくて、え？と目を丸くしていたら彼は呆れたように笑い

兄:仲間やと思ってたんは、俺らだけ？ちゃうやろ？仲間を追い出したり

殺そうとするやつがここに1人でもおると思う？おらんやろ？

そう言うことや、と兄さんはそこでタバコを吸い微笑んだ

貴:、、、俺は、仲間なんですか？

兄:俺らはそう思ってんで？

貴:え、でも、あの、俺、人じゃない、、、

兄:だから？

貴:だから、、、共に生きるなんて無理ですよ

兄:それは誰が決めたん？

貴:え？

兄:Aが死神やからって、一緒に入られへんなんて、誰が決めたん。

言ってみ？全員で乗り込んでそいつ殴って黙らせてきたるから。

皆さんが優しく笑うのを見て、この人は、何を考えているんだろう、と少し考えて、次の瞬間吹いた

貴:あwあはははwww、変な人達だなーと思ってましたけどwww

死神相手にそこまで言うのはきっと貴方達くらいですよwww

クスクスと面白くて仕方なくて笑っていれば、彼らは先ほどよりもっと優しく微笑んだから

笑いはいつの間にか涙に変わった

貴:ふふ、あはは、ほんと、変な人達、俺のこと、殺しもしないし放り出してもしないなんて

俺は幸せものですね、ヒトの暖かさをどの死神より知っている、誇らしいですよ

ほんと、誇らしい限りですよ。

ポタポタと涙が溢れて床に落ちて、冷たいはずの心が熱くて熱くて

嬉しくて、ただ泣いた

皆さんは何も言わなかった、その代わり、俺の頭を撫でたり

紅茶を淹れてくださったり、毛布をくださったり、包帯やらタオルやらで見えない手を握ってくださった

握られた手は痛いくらい熱いのに、頭に乗せられた手もびっくりするぐらい熱いのに

離して欲しくはなかった

ずっと触れたままでいて欲しかった

まだ一つ、大事なことを隠している俺に、優しく接してくれる皆さんに

まだ、、、

まだ甘えてみたかった、死神としてじゃなくて、1人の人間として、、、

一度だけでも人間になりきってみたかった

俺の存在が

消えかけていたとしても