■２１■告白 ページ21
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月明かりが彼女を美しく照らして影を長く伸ばす
俺から視線を外しまた静かに話し続ける
『私が、嫉妬に狂ったりしないとでも思ってるの？』
僅かに声が震えてる
音も無く流れる雫が月明かりで悲しく光る
ごめん
本当にごめん
そんな事言いたくないよな
こんな事言わせてる俺って最低だな…
誰だって心の中に抱えてるものがある
それは美しい物ばかりなわけじゃない
知られたくない
見られたくない
そんな醜い部分を誰もが抱えてる
だけど皆どうにかしてそれに折り合いをつけて顔を上げる
闇に取り込まれないように胸の奥にしまって笑う
それなのに
俺は今
その全てを曝け出させている
これ以上酷いことがあるだろうか？
『私だって…嫉妬もするしヤキモチも妬くし…
あなたの事が好きでしょうがないただの女なんだよ……』
何時だって、俺のほうが好きで足掻いてるんだと思ってた
年上の彼女は何時だって余裕で
きっとこの人は俺になんか溺れたりしないんだって思ってた
なのに ──────
『…それでも、一度だって潤が…
他の人と…なんて考えたことも無かった……』
心情を吐露する度に
零れ落ちていく想いを
どうやって拾い集めればいいのだろう
「A…ごめん……」
言葉に出来ない想いが溢れかえって
どうしようも出来なくて
とにかく謝りたくて、Aに触れたくて俺は思わず身を乗り出した
「A…」
『やだ…見ないで……』
俺の視線から逃れるように両手で顔を覆う
その手をどけようと手首を掴んだけど
Aは小さい子が駄々をこねるように首を振るばかりだった
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作者名：YOH
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/yoh_list/
作成日時：2014年9月1日 14時
