KISS ME BABY【0830BD企画/J.M】 (ページ18)

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■１８■溢れた想いページ18

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きっと睨みつけるとその男はますます呆れたように鼻で笑う

『あのね、君。いい歳した大人の男がそんな余裕無かったら彼女に逃げられるよ？』

"ねえ？"なんて同意を求めるからAは困ったように眉を下げて笑う

「大きなお世話ですよ。彼氏もちの子酔わせてどうこうしようとか思うような人に何か言われたくないですね」

『…どうこうねえ……』

『潤っ！お願いだから止めて！』

「何でこんなやつ庇うんだよ！」

『林さんとは何も無いってば！！！落ち着いて！！！』

「何言ってんだよ、俺見たんだぞ？！こいつと一緒に居るとこ……」

『えっ』

Aの顔が見る間に曇っていく

『見たって…どう言うこと？』

「こないだ…先週のほら、あの…居酒屋から降りてきて転びそうになってそいつに…」

『あーあーあの日ね…Aさん、先生に教えてもらったお店行った時だよ』

『…潤、どうして黙ってたの？』

「言えるわけ無いだろう……」

『彼氏君、僕とAさんの事疑ってるんじゃない？』

『そんな……』

「じゃあなんなんだよ！！！

毎日毎日遅くまで何やってるんだよ

何時連絡してもなかなか繋がらないし、帰ってきても疲れたって俺の事拒否ってさ…

それであんな場面見たら疑うのも仕方ないだろう？？」

俺らしくない大声に自分でも驚いた

肩で息をしてゆっくりと視線を上げると ──────

口をへの字にぎゅっと閉じ

悔しそうにぼろぼろと涙を零しながら俺を睨みつけているAの姿がそこにあった

「A…？」

『なんで？なんで直接聞かないの？？勝手に疑って勝手に決め付けて…私ってそんなに信用無い？？？』

「いや…そうじゃなく…て」

体中に力を入れたままぶるぶると震えている

だけどその視線はずっと俺を捕らえたまま離す事は無かった

『そう、そう言うことだったのね。最近ずっと様子がおかしいなって思ってたのはそのせいだったんだ。こないだ無理やりあんな事したのもおかしいと思ってたのよ…』

『そんなに私が信用できないなら勝手にすれば』

そういい捨ててつかつかと歩き出す

「A！！」

『着いてこないで！！』

「何処行くんだよ」

『…貴方には関係ない……』

Aの姿が遠ざかり闇に紛れて見えなくなっていく

俺はどうして言いか分らずその場に立ち尽くしたままだった

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