KISS ME BABY【0830BD企画/J.M】 (ページ16)

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■１６■HUG HUG HUG ページ16

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俺の腕の中でくすくす笑ってる

何で笑ってるんだろう

少し体を離して顔を覗き込んだら目が合って

Aはまたくすくすと笑う

「…何？」

『なんでもないよ？』

「笑ってるじゃん」

『あーうん…』

「俺なんか変？」

『そんな事ないよ』

Aは俺の腕の中で少しだけ背伸びして

内緒話をするように口の横に片手を添える

だから俺はちょっとだけカラダを傾けた

『久しぶりにこんな風にぎゅっとされたら』

『気持ちいいなぁって』

ぱっと視線をAに向けたら恥かしそうに目を反らす

「なになに、もっかい言ってよ」

『やだ』

「なんでよ、いいじゃん」

『もう言わないっ』

「言わないとここでちゅーしちゃうよ？」

『えっ、それは…』

うろたえるAの表情があんまりにもおかしくって思わず噴出した

『どうして笑うのよー』

「いいえ？なんでもありませんよぉ？」

おどけた風にそう言ってAの頭をぽんぽんと叩いてぎゅっと胸元に引き寄せた

『…良かった』

「何が？」

『最近、潤ずっとイライラしてるみたいだったから…』

「あぁ…それは……」

まさか浮気してるんじゃないかと疑ってヤキモチ妬いてましたなんて…言える訳ないよね…

『私の事キライになったのかな…とか思ってたんだよ？』

「嫌いになんかなるわけないだろう？」

『そっか…』

「Aは？」

『え……？』

「Aは俺の事まだ好き？」

『それ、は……』

Aの手に握られていたスマホが俺達の邪魔をするように鳴り響く

夢の国の物語

7人の小人とお姫様が何時か来る日を夢見て歌う曲

「出なよ」

『あ、うん…ごめんね』

俺から離れ電話に出る

そのせいで少しだけ出来た二人の距離

背を向けて小さな声で話してる

俺も変だな

こんな距離すらもどかしい

早くつれて帰りたいよ

電話を終えゆっくり振り返ったAが"ん？"って首を傾げる

「…なんでもないよ。電話…仕事？そろそろ戻る？」

Aは俺の言葉を聴いて少しだけ嬉しそうに首を横に振る

『今日、お休みなんだよね』

あれ、覚えてたんだ

『もう今日の仕事は片付けてあるから、少しだけ待っててくれる？』

『それとも、何か予定でもある？』

ぎゅっと俺の服の裾をつかんで小さく笑う姿に胸がきゅっと苦しくなる

『一緒にかえろ？』

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