日常115 目撃 ページ42
「学食行こ。」
「そうだね!」
少女と絢子は教室を出る。
ここは1A棟の三階。1A棟は午後の授業ではほとんど使われることがないため、廊下は人がおらずシーンとしてる。
二人はエレベーターに乗り込んだ。
一階にたどり着き、エレベーターがのドアが開く。
「あ、すみません。」
「俺こそ悪かった。」
エレベーターをでて角を曲がったところで少女が男にぶつかる。
男は数人で来ており、そのままエレベーターに乗った。
絢子は1A棟の出口で少女を待つが少女は動かない。
不審に思い、絢子が少女に近づく。
「A!早く行こ!お腹すいた!」
「ねぇ、ジュンちゃん。」
_あの人達ここに何の用があったのかな?
少女の問いに絢子は
「ご飯食べに来たんでしょ。人が多いところが苦手なんだよ。」
と普通に返す。
「あの人たち五階に行ってるんだけどさ。」
「?何で五階ってわかるのよ。」
「エレベーターランプ。」
「成程。五階がどうしたのよ…あ。」
「今日は五階でもう授業はないし…わざわざここの五階に行く必要って何だと思う?」
「えーっと…」
少女がぶつかった男は大学でも有名なパリピな先輩だ。
言い方は良くないが、アニメや漫画のヲタクが至極の時間を誰にも邪魔されないように誰もいない場所でご飯を食べたいのならわかる。
少女自身、趣味の合う人とは人目を気にせず語りたいからだ。
しかし、目立ちたがりな印象のあの男が似たような人たちを集めてわざわざコソコソする理由が少女には見つからなかった。
下を向くまでは。
「ジュンちゃん。下見て。」
「下?…これ。」
「うん。」
_これ、怪しいよね。
そこには透明なプチ袋に入ったカラフルな錠剤が落ちていた。
男が少女とぶつかった時にポケットから落ちたのだ。
落ちた瞬間を少女は見ていた。
少女はスマホを構え写真を撮る。
「ちょ、何してんのよ。」
「知り合いに警察がいるからその人に見せてみる。」
「もう!危ないことに手を出さないでよ!」
「大丈夫!」
とりあえずこの袋はここに置いたままにしておこう。
少女と絢子は今度こそ1A棟の出口へと向かう。
「あれ?まだいたのか!」
「儀晴?どうしたの?」
「…あ、あぁ!忘れ物しちまって…な?」
少女が止める前に儀晴は足早に1A棟に消えてしまった。
本人も忘れ物って言っていたし…大丈夫であろう。
少女と絢子は今度こそ学食へ足を運んだ。
__儀晴の乗ったエレベーターランプは五階で止まった。
525人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆,哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服,喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年8月3日 20時