日常74 デートです ページ42
__「A、今日暇か?」
土曜日の朝11時。
二郎は少女に問いかけた。
「暇だよ〜。」
「ちょっと出かけね?」
「あら、デートのお誘い?」
「ば!!…で、デートじゃねぇけどよ。」
「え〜、じゃあ暇じゃ無ーい。」
「デートで良いよ!!」
「よっしゃ。んで、それはともかく何処行くの?」
少女はある程度二郎をからかった後、目的を聞く。
「この映画が見たいんだよ〜。」
「こ…これは。」
毎年ある、あの国民的名探偵の新シリーズ映画である。
少女も好きで見たいと思っていたやつだ。
「行く。着替えてくるね。」
「わかった。」
少女は自室へと向かい、二郎の隣に立ってコーディネートを考える。
やはり、映画のキャラになぞって…
少女の今日の服装は
カーキーのオーバーサイズジャケットに
セットになっているハーフパンツ
上着は首元に少しフリルのついた透け感のある白シャツ
丸眼鏡にカーキーのベレー帽で完成である。
「二郎〜、お待たせ。」
「おう…って気合入ってんな。キャラに寄せただろ。」
「気が付いてくれる二郎ちゃん好きよ。」
「そーかよ。ほら、行くぞ。」
「あーい。」
少女の準備が済み、二人は萬屋ヤマダから出ていく。
三郎と一郎は本日、依頼のため家にいたのは二郎と少女の二人だけ。
鍵が締まっているか、戸締りを念入りに確認して二人は映画館へと足を運ぶ。
「あ、そういえば映画の帰りにアニメイト行って良いか?」
「良いよー。何買うの?」
「<転生したらチート魔術師じゃなくてチートラッパーだった件>の新刊!」
「あ、あれか。アニメ化も進んで順調だよね。」
「そうなんだよ!昨日が発売日でさ!」
「よし、じゃあ決定だね。」
「おう!」
「じゃあ、お昼ご飯も今日は外で食べよっか。」
「そうしようぜ!どこ行く?」
「私のバイト先行く?休日はランチやってるけど…。」
「そこにしようぜ!」
デートの段取りも決まり、二人の足取りは意図せず速足になる。
二郎は相手が少女とはいえ女の子と二人で出かけるのが初めてなので、誘う時は緊張していたが、少女の隣は安心したのか、話が途切れることなく映画館へと向かう。
これを二郎の同級生が見ていたらどうなるだろうか。
恐らく、学校で事件と化すだろう。
なんせ人気者二郎の初スキャンダルだ。
「映画楽しみだな!」
「だね!もう、胸の高まりが…」
二人のデートは始まったばかりである。
545人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
芋けんぴ(プロフ) - 讃良さん» ありがとうございます。私の妄想でニヤニヤしてくださるとは、嬉しいです!気持ち悪いだなんて滅相もない。嬉しい限りです。 (2020年8月2日 12時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
讃良 - こんにちは!すごく面白くて、終始ニヤニヤしながら読ませていただきました(どうか気持ち悪いとか思わないで!)。これからも全力で応援しております。頑張ってください。体調にだけ気をつけて! (2020年8月2日 10時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 神坂 チトセさん» ありがとうございます。私も、コメントの嬉しさにニヤニヤが止まりません。嬉しい限りです。 (2020年8月1日 23時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
神坂 チトセ - こんにちは、めっちゃ面白いです。ニヤニヤが止まりません(笑)無理の無い範囲でこれからも頑張って下さい(^ ^) (2020年8月1日 20時) (レス) id: 46099f0789 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - マチさん» ありがとうございます。嬉しい限りです。 (2020年7月21日 17時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年7月14日 22時