日常72 ゲテモノ料理 ページ40
「さぁ、料理が出来たぞ。」
「わぁ!美味しそう!」
理鶯の声を聴き、左馬刻と銃兎は腹をくくる。
何か決意したような表情で、木の椅子に座った。
「さぁ、食べよう。」
「そうですね!」
そこには、焼かれた肉と、カレー風味のスープと揚げ物とサラダがある。
一見おいしそうではあるのだが…スープの中身に見たことがない食材が見え隠れしている。
揚げ物の形もどこか歪だ。
「いただきます。」
「「…い、いただきます。」」
「あぁ、食べよう。」
左馬刻と銃兎は恐る恐るサラダに手を付ける。
「「…。」」
味は美味しいのだが、この酸味のある小さい奴は何なのだろう。
…見覚えのある何かに似ているが、考えたくない。
「あ、このサラダに入っている奴は蟻ですか?」
「Aよく気が付いたな。」
「テレビでやってたんですよ。海外では蟻は調味料の一種だって。日本で言うお酢の代わりに酸味付けとして利用されると。」
「ふむ、詳しいな。その通りだ。」
「初めて食べましたが、意外といけますね。」
((…マジかよ。))
意外とすんなりと蟻を受け入れて食べ進める少女。
それを見て、左馬刻と銃兎は若干引きながら安心する。
こういう虫系を嫌う女性は多いから気にしていたのだが、理鶯があまりにもキラキラした目で少女を招待したがったため、二人は少女を呼ばざるを得なかったのだ。
「このお肉も、美味しいですね。焼き加減が絶妙ですね。…でも食べたことがない味…何のお肉ですか?」
「この肉は、猪の肉だな。」
「猪はジビエで食べたことがあります!固めの肉なのに…柔らかくなってるし、臭みも少ないですね。」
「あぁ、柔らかくなるよう熟成させてある。」
((…順応力。))
「ん?この揚げ物は…蝉ですか?」
「あぁ、そうだ。」
((せ、蝉!?…これは流石に…))
「お父さんが言ってたんですよね。蝉は美味しいって。」
「ふむ、Aの父も蝉を食べたことがあるのか。」
「らしいです。聞いたときはそんなことあるはずがないって思ってたんですけどね…揚げ物にすると美味しいですね。」
((蝉が食べれる女子大生って…コイツ強い。))
左馬刻も銃兎も衝撃のオンパレードである。
本当に美味しそうに食べ進める少女を尊敬すらしそうである。
「このスープは…カレー風味ですか?」
「そうだ。」
スープの入った容器を持ち上げると、カレーの香りがする。
少女はスープを飲もうと口に近づけるが‥‥
「…り、理鶯さん。これは…」
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芋けんぴ(プロフ) - 讃良さん» ありがとうございます。私の妄想でニヤニヤしてくださるとは、嬉しいです!気持ち悪いだなんて滅相もない。嬉しい限りです。 (2020年8月2日 12時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
讃良 - こんにちは!すごく面白くて、終始ニヤニヤしながら読ませていただきました(どうか気持ち悪いとか思わないで!)。これからも全力で応援しております。頑張ってください。体調にだけ気をつけて! (2020年8月2日 10時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 神坂 チトセさん» ありがとうございます。私も、コメントの嬉しさにニヤニヤが止まりません。嬉しい限りです。 (2020年8月1日 23時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
神坂 チトセ - こんにちは、めっちゃ面白いです。ニヤニヤが止まりません(笑)無理の無い範囲でこれからも頑張って下さい(^ ^) (2020年8月1日 20時) (レス) id: 46099f0789 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - マチさん» ありがとうございます。嬉しい限りです。 (2020年7月21日 17時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年7月14日 22時