日常41 人肌恋しさ ページ4
「…ここは?」
「あ、起きました?寂雷先生呼んできますね。」
あれから二時間後少女は目を開いた。
真っ白な天井と少しの薬品の匂い、話しかけてくれた看護師さん。
少女は自分が熱で病院に来ていたことを思い出した。
「やぁ、目を覚ましたみたいだね。」
「えっと、迷惑かけました。」
「迷惑だなんて思っていないよ。私は神宮寺寂雷。よろしくね。」
「あ、あの神宮寺さんですか。…凄い人に診てもらったな。」
少女も流石に寂雷の事は知っていたようである。
ただの熱でこのような先生に診てもらって申し訳なさすら感じていた。
「…38.3度か。だいぶ下がったけどまだ高熱だね。」
_一郎君が迎えに来るまでゆっくり休むといい。
そう言って寂雷は少女の頭を優しく撫でる。
「…何か、お父さんみたいです。」
少女は寂雷の手つきに父のぬくもりを思い出し、口元が緩む。
それを見て寂雷は可愛らしいと微笑ましい気持ちになった。
「私は今から休憩だから、君のそばにいよう。」
「良いんですか?」
「もちろんだよ。」
「ありがとうございます。実は人肌が恋しくて…誰かと話していたかったんです。」
「寝なくてもいいのかい?」
「夜眠れなくなりますから。」
「確かに、その通りだね。」
寂雷は少女が寝ているベッドの近くに椅子を持って行き、座る。
「さて、乾さん何を話そうかな…。」
「あ、あのAって呼んでもらえますか?」
「良いけど、何故だい?」
寂雷は少女が名字で呼ばれるのを嫌がったため、この少女には家庭的な何か問題があるのかと深読みをしてしまう。
がしかし、そんなわけはなく
「いや、乾さんってどこぞの(以下略)」
もはや少女の持ちネタと化しているやり取りが始まった。
また、少女は父を思い出すような雰囲気の寂雷には是非とも名前で呼んでほしかったらしい。
「ふむ、面白い子だね。Aさん、で良いかな?」
「ありがとうございます。寂雷さん。」
少女は気づけば彼を下の名前で呼んでいた。そうさせてしまうほどの安心感が寂雷にはあるようだ。
「そう言えば、君と一郎君はどのような仲なんだい?」
「私が一郎の家にお世話になっているんです。」
「そうなのかい?」
寂雷には彼らがそれだけの仲には見えなかった。少なくとも一郎はこの少女をとても大切に思っているように見えたからだ。
「そうですよ。実は漫画のような出来事がありまして〜〜〜。」
少女は二郎との出会いや火事の事などの出来事を話した。
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芋けんぴ(プロフ) - 讃良さん» ありがとうございます。私の妄想でニヤニヤしてくださるとは、嬉しいです!気持ち悪いだなんて滅相もない。嬉しい限りです。 (2020年8月2日 12時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
讃良 - こんにちは!すごく面白くて、終始ニヤニヤしながら読ませていただきました(どうか気持ち悪いとか思わないで!)。これからも全力で応援しております。頑張ってください。体調にだけ気をつけて! (2020年8月2日 10時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 神坂 チトセさん» ありがとうございます。私も、コメントの嬉しさにニヤニヤが止まりません。嬉しい限りです。 (2020年8月1日 23時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
神坂 チトセ - こんにちは、めっちゃ面白いです。ニヤニヤが止まりません(笑)無理の無い範囲でこれからも頑張って下さい(^ ^) (2020年8月1日 20時) (レス) id: 46099f0789 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - マチさん» ありがとうございます。嬉しい限りです。 (2020年7月21日 17時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年7月14日 22時