第百九十三話【沈黙の爆弾】 ページ5
そして、暫く歩き続けると目の前に僅かに開いたシャッターの扉があった。私達は安全を確認したあとその隙間に体を押し込み中へ入った。
中は外とは違い随分と広い空間になっていた。所々、空調や機械の稼働音が聞こえ、何十、何百も同じ形をした扉付きの機械装置があった。
「な、なんですか此処?......それにこの機械の数......」
「これ、全部アンドロイドなのね......」
その言葉に敦がハッとして機会装置の中身を見ると、それぞれの機械装置の中に一体ずつアンドロイドがいることに気がついた。
「もしこれが全部外に出ていたら......」
「ヨコハマがパニックになるどころじゃない。壊滅寸前になるのかも」
「じゃあ、早く捕まえないと!」
私は敦の目を見ながら頷いた。
アンドロイドが保管されている機械の列を通り抜けると奥に灯りがついた部屋があることに気がついた。私達は頷き、ドアの付近まで近づく。そして、入り口を開けた瞬間に爆発物がないことを確認した後、私達は部屋の中に突入した。
「貴方が篝さんでしょうか」
私は銃を構えながら作業を続ける人物に尋ねた。その声に気づいたのか男はゆっくりと振り返る。振り向いた男の顔は正に写真で見た篝の顔だった。
「この場所を突き止めるとは流石だな。武装探偵社」
呆れと怒りを含ませたような声に私は無意識に手に力を入れた。
「私達のことをご存知で?」
「この街に生きている限り有名じゃないか。街の英雄だと讃えられるが......私にとってはただの邪魔な存在でしかない。即刻、立ち去ってもらおうか」
「私達が素直に応じると?」
今が絶好の好機、私達が此処で篝を逃すことはしない。必ず此処で捕まえてみせると覚悟を決める。
だが、私達の意思が変わらないことを理解した篝は溜息をついた。
「なら邪魔する者は全て排除する」
161人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トキハル(プロフ) - 藍染紅琳さん» コメントありがとうございます!無事に完結することができました。そう思っていただけたのなら私も嬉しいです。私も知っている作品がありましたらぜひ読ませていただきますね(^^) こちらこそ応援してくださりありがとうございました! (2023年1月31日 15時) (レス) id: a4508594ec (このIDを非表示/違反報告)
藍染紅琳(プロフ) - 完結おめでとうございます!!トキハルさんの書く文章を読んで私、漸く作者側に戻ってみようと思うことが出来ました。今度は私の作品を読んでいただけたらとても光栄です^^本当にお疲れ様でした!! (2023年1月31日 10時) (レス) @page40 id: 94358f61cd (このIDを非表示/違反報告)
トキハル(プロフ) - 藍染紅琳さん» たくさんお待たせしてしまってすみません(┯_┯)ずっと待っていてくださりありがとうございました! 後編もまた来週くらいには上げられるように仕上げていきますので、今もう少しお待ちしていただけるとお願いしますm(_ _)m (2023年1月28日 10時) (レス) id: a4508594ec (このIDを非表示/違反報告)
藍染紅琳(プロフ) - 続編おめでとうございます!!そしておかえりなさいです!ずっとずっと待ってました^^戻ってきて下さっただけで嬉しいです!!更新応援してます!! (2023年1月28日 7時) (レス) id: 94358f61cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:トキハル | 作成日時:2023年1月26日 23時