【d!】ペットの人間ちゃん

深緑の趣味 ページ10

zm「A起きるんだぁーーー！！」



『へっ…？ は、はい！』





翌日の朝。いつもなら自然に起きるのだが今日は違った。



耳元で叫ばれて叩き起こされた、というのが正解かもしれない。


隣を見るとニヤニヤと悪戯っ子な笑みを浮かべているゾムさんがいた。





『あの…何かありましたか』



zm「僕Aの基本的な世話係やから、起こしてみた！」





なるほど…と相槌を打つと彼は私を引っ張ってドレッサーの前に座らせられた。




寝ぼけ眼で寝癖のままの私だ。




鏡越しにゾムさんを見ようとするとすでにそこにはいなかった。



状況を理解出来ずにキョロキョロと周りを見渡すと入り口付近で2色の眼と視線が交わった。





１つが先ほどまでいたニヤニヤと笑う黄緑色。



もう１つが細目から覗く深緑色。





『確か…オスマンさん、ですよね？』



os「せいか〜いっ」





雰囲気がふわふわしていて印象的な彼(？)だ。



何故彼もいるのかと尋ねると、





os「Aちゃんを着飾りたいめう〜」





とのこと。



断る理由もないので軽い気持ちで了承した私。


この後、怒涛の着せ替え人形と化す。



あれも違う、これも違う、これ可愛い、髪型変えたい。



慣れていない私は朝から体力が格段に下がり、ゾムさんはというとスマホをずっといじっていた。





結局私が着替えたものは緑系統のラフな格好に膝丈くらいのスカート。





満足げに頷いたオスマンさんは「今日それで一緒に買い物行こな〜」とだけ言って部屋を出て行った。



まだ続くのかと今からでも辛い想像をしているとふいに後ろから抱きしめられた。

助け舟と本音→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す