虹空321 ページ48
[Noside]
「カエデ、指令室を探すのを手伝ってくれるか?」
エルザの問いに首を横に振るカエデ。確かにカエデがいれば超直感で迅速に指令室を発見できるだろうがカエデはこれから来る敵に備えなくてはならない……
「悪いけどそっちは任せる。今ここにものすごく強い何かが迫ってるからな。ここにいる全員が全滅する危険もある。そいつに備えないと……」
「どういうことじゃ!?」
マカロフは間違いなくカエデがフェアリーテイル……いやこの大陸で最強の存在であると確信している。
マカロフ自身も聖十の称号を持った魔道士である。だがカエデには聖十の最高峰であるゴッドセレナすら勝てないだろう。
そのカエデが怖れる程の力を持った者……それはアクノロギアくらいしか思い浮かばない……
フェイス……アクノロギア……タルタロスだけならどうにかなると思っていたがこの状況を打破する為にマカロフは決断する。
「皆、ワシは一旦ギルドに戻る。フェイス破壊が失敗した時の為の備えをしなければならん」
「備えとは?」
「それはエルザ……オヌシにも言えん。とにかく皆を頼む」
「分かりました」
マカロフの言葉にピンときたカエデは他の者に聞こえないようにマカロフに耳打ちする。
「……マスター、まさかフェアリーハートを?」
「な!?オヌシ!!何故それを!!?」
せっかく耳打ちしたのにそれを無にする大声を出されてカエデは耳を押さえながら顔を離した。
しかし本当の名を隠す為の名であるルーメン・イストワールではなくフェアリーハートの名を出されたのだからマカロフの反応も仕方ない。
「マスター?」
「ああいや、何でもないわい…………後で詳しく話してもらうぞい」
こちらを見るメンバー達に慌てて取り繕ったあとカエデに小声で告げるマカロフにカエデは頷いた。
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