大空315 ページ37
NOside
辛くて涙を流していた少女時代……ミネルバが泣くとジエンマは裸で猛獣が蠢く森の中に裸で放置していた。
泣くことを許されずただひたすら強さと勝利を求められていた。
ミネルバはその教えの通りに泣くことをやめ、どんな手を使っても常に勝利する事を考えるようになっていった。
だが今、ミネルバは涙を流しながらエルザに懇願する……
「妾を……殺して……」
「……そんな事をしたら私はスティング達にどう詫びればいいというのだ」
「ふふ……そのようなことする必要はないであろう……妾がしたことを考えればな……」
ミネルバは大魔闘演武最終戦にてスティングの力を最大限に引き出す為だけにレクターを人質に取った事を思い出した。
きっと彼は自分を恨んでいるだろう。他の者も自分に対していい感情を覚えている者など存在しないだろう……
「バカを言うな。間違いに気づけばやり直せばいいだろう……仲間という名の繋がりは決して脆いものではない。きっと彼らもお前を待っている」
「エルザ……」
エルザの差し出す手を取ろうとおずおずと手を伸ばしたミネルバ……そこへ野太い声が響く。
「この屑が!また涙を流しておるのか!!」
「なっ!?」
「ゴハッ!!」
それと同時にミネルバは殴り飛ばされて壁に叩きつけられる。
エルザが振り向くとそこには元セイバーのマスターにしてミネルバの父であるジエンマが拳を振りきったまま佇んでいた。
「貴様っ!自分の娘に何をっ!?」
「黙れいっ!!涙を流す弱者など我が娘の資格などないわっ!!せっかく人間を超えたにも関わらず無様に敗北しおって!!」
ジエンマもミネルバと同じように悪魔として改造されていた。
だがそれを悔やむどころかむしろ嬉々としてその力を受け入れていた。
「貴様……」
「もはや我慢ならん!!我が血を受け継ぎながら弱者である貴様など生きる価値もない!死ねいっ!!」
「なっ!?待て!!」
ジエンマはミネルバに向かって強力な呪力弾を放った。咄嗟に止めようとするエルザだが間に合わない。
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