検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:2,675 hit

虹空315 ページ36

[Noside]




「タルタロスのマスターはこのマルドギールではなくENDだ。今はこのような姿だがな」


 
マルドギールの掲げた一冊の古い本を目にしてナツは驚愕する。太陽の村でアトラスフレイムの残留思念から聞いたイグニールが倒そうとして倒せなかった悪魔が目の前の本だと言うのだ。

 
ナツは両腕に激しい炎を纏いながらマルドギールに宣言した。


 
「……ならテメェを倒してその本も燃やしてやる!!」

 
「ほう……竜の子か。しかし勝てんよ。このマルドギールにはな」
 

「上等だ!燃えてきたぞ!火竜の鉄拳!!」

 
「無知な……」


 
ナツの繰り出した拳を簡単に受け止めながらマルドギールは呟いた…。







「換装!黒羽の鎧!黒羽一閃!!」

 
「ぐうっ!調子に……のるな!!」


 
エルザの鋭い一撃を呪力を込めた腕で受け流しながらミネルバはエルザのいる空間の属性を爆発へと変化させた。爆炎に包まれたエルザだが……
 


「うおおおっ!!」
 

「何っ!?ガハッ……」
 


煙を突き破りながら突撃してきたエルザの拳を受けてミネルバは壁まで吹き飛ばされる。
 


「くっ!わ……妾は最強の魔道士になったはずだ!これでどうだ!!」

 
「そこだ!!」
 

「ガハッ!!」
 


すぐに立ち上がったミネルバはエルザの背後の空間と自分の空間を入れ換えて瞬時に襲いかかる。だがエルザはそれを読んでいたのか振り返らずにその攻撃を躱して剣を持っていないほうの拳で再び殴りつけた。


 
「大魔闘演武での貴様の所業……許した訳ではない!だが今の貴様はあの頃よりももっと最低だ!思い出せ!自分が何の為に戦っていたのかを!!」
 


確かに大魔闘演武ではミネルバの悪辣さに怒りを覚えたがその行動の全てはセイバートゥースの優勝の為の行為だった。


 
「今のお前には何もない。こんな戦いに何の意味があるのかと……お前を殴る拳が泣いているんだ」
 


エルザの言葉にミネルバは俯いて自分の心の内に秘めていた想いを吐露する……


 
「そうだ……妾が弱かったから……あげくの果てにはこんな姿になってしまった……」


 
ミネルバが伏せたまま泣いているのがエルザには分かった。ミネルバは実父であるジエンマに子供の頃より虐待とも呼べる訓練を施されていた。
 

辛くて涙を流していた少女時代……ミネルバが泣くとジエンマは裸で猛獣が蠢く森の中に裸で放置していた。

大空315→←大空314



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小町&五月雨 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年6月6日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。