虹空309 ページ24
[Noside]
全力で撃ち込んだにも関わらず倒せなかった事に自分の炎が本当に残り少なくなっていると痛感させられた。
「ナイスやテンペスター!もっと撃ち込まんかい!!」
「ゴロン……ゴロン……」
「させねえ!」
「…絶対に…守り、ます…!」
「天を測り天を開きあまねく全ての星々……」
次々に襲いかかる雷をルーシィを守りながら防ぐカエデ。ヨミはほぼ無い魔力を出し水のバリアを展開しルーシィは小声で呪文を詠唱していたからだ。
ジャッカルの攻撃を防ぎつつルーシィの詠唱が進むと共に魔力がどんどん高まっていく……そして詠唱が完結する。
「荒ぶる門を解放せよ。全天88星光る!ウラノ・メトリア!!」
解放された星々の超魔力がルーシィから放たれた。それは狙い違わずテンペスターへと直撃した。
「ぐおおおおっ!!」
「テ、テンペスター!!」
「流石だルーシィ」
「えへへ……」
初めて会った時からルーシィを雑魚と侮っていたジャッカルはこの魔法を見て確かに恐怖していた。直撃を受けたテンペスターは倒れ伏し、体を動かすことすら出来なかった。
「最早……死ぬしか……ないか……」
そう言い残すとテンペスターの体が弾け飛んだように音をたてて消え去った。だがそこに残された黒色の霧にカエデとヨミの顔色が変わる……
「あれは……魔障粒子!?」
「貴様らも冥府へ道連れだ……」
「待ってたぜこの時を!!」
魔障粒子を何とかしなくてはならないがそれだけの炎が残されていないカエデが後ろから聞こえたラクサスの声に振り向くと、ラクサスの足元から眩しい光が溢れていた。
「ラクサス!?」
「あれはまさか……」
「テメエが不死でも魔障粒子の状態で跡形もなくなれば消滅するしかねえだろ。あの街の奴らにあの世で償え!!」
光はどんどん強くなっていきラクサスは両手を胸の前で構えた。恐るべき魔力にジャッカルも後ずさる……
「な……何かヤバイで……」
「仲間も絶対に助けてみせる!これが俺の全身全霊の
ラクサスの柏手と共に光が爆発的に冥界島を覆いつくした。ジャッカルは岩陰に隠れると呪力を高めて防御を最大まで高めたが、テンペスターは魔障粒子状態なので防御も何もなかった……
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