虹空304 ページ14
[Noside]
その姿は面影こそあれど以前とは違う……ミネルバは悪魔になっていた。
「なんということを……」
「妾は人間を超越した存在になった。エルザも!カエデですら最早妾の敵ではない!!」
「スティング達はずっとお前を探していたんだぞ!そんな姿になったお前を見たらどう思うか分かるだろう!?」
「……妾には関係のない事だ」
スティング達に何と言えばいいのか……エルザは叫びながら後悔する。
以前に遭遇した時に何がなんでも捕まえてセイバートゥースに引き渡すべきだった。
「以前のお前は人間的には最低だった。だがその心の根底にはセイバートゥースの勝利の為なら何でもするギルドへの想いが確かにあった……」
「くだらんな……今の妾には関係のない事だ。妾に残っているのは貴様を殺す事だけだ!!」
「想いを捨て去ったお前は弱い!行くぞ!それを教えてやるぞミネルバ!!」
「妾はネオミネルバだエルザァ!!」
こうして二人は三度目の激突を開始する…
「ヒュル……」
「!!」
全身に雷を纏いながら高速で通路を進んでいたラクサスの耳に聞き覚えのある声がした。
忘れようにも忘れられないその声の一拍後に竜巻がラクサスへと迫ってきた。その風を躱しながらその風の源を睨み付ける。
だがそこにいたのはラクサスの思っていた人物とは似ても似つかぬ色黒の人間のような姿をした美形の男だった。
だがそれは間違いなくヤジマの店を襲い、仲間と街の人々を傷つけた男だとラクサスは確信していた。
ラクサスの勘は当たっている。目の前の男はタルタロス九鬼門の一人、不死のテンペスターだった。
ヘルズ・コアで再生される際にイケメン好きのラミーによってこの姿に改造されたのだ。
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