虹空303 ページ12
[Noside]
「(どうする?死ぬ気の到達点を使うか?いや、今使っても僅かな時間しか持たない上に炎が完全に底を尽いてしまう……)」
焦るカエデを見ながらゼレフは笑みを深めると朗らかにカエデに語りかける。
「ここまでにしよう。今日は君の力を確かめたかっただけだからね。その代わり少し話をしようか」
「何の話だ?」
タルタロスと戦っているみんなの事は気になるが正直今の自分ではゼレフに勝つのは不可能なので少しでも情報を得る為に話を聞く事にした。
「君が知っているかは分からないがこのイシュガル大陸の西のアラキタシア大陸にはアルバレス帝国という国がある。僕はそこの皇帝をやっているんだ」
「は……?」
「だから僕は西の大陸アラキタシアのアルバレス帝国の皇帝なんだ」
「……?だがお前は死をもたらす呪いにかかっているんだろう?どうやって国を率いているんだ?」
「大丈夫さ。人を駒……ユニットと思えば呪いは発動しないからね。その国は700以上のギルドを纏めて作ったんだ。このイシュガルのギルドの総数は100ちょっとだから凄い数だろう?」
「それで?何が言いたいんだ?」
「僕はフェアリーハートを手に入れる為にその国の全軍をあげてイシュガルに侵攻するよ」
「何っ!?」
あっさりと目的を話すゼレフに驚愕するカエデ……
「まあ今すぐじゃないよ。まだしばらくは帰らないつもりだしね。だけど君達には勝ち目はない……最強の12人、スプリガン12ははっきり言って君以外では相手にもならないからね」
「スプリガン12……」
ゼレフにナツはおろかエルザやラクサスでも敵わないと言わしめるスプリガン12……未だその全貌すら分からない強敵の出現にカエデの心に衝撃が走る……
「確かに君は強い……はっきり言って一対一ではトゥエルブでも分が悪い。だがトゥエルブの中でも別格とされる3人を纏めてぶつければ勝てる」
「……そうまでしてお前が求めるフェアリーハートとは何なんだ!?」
「永久魔法フェアリーハート……その名の通り無限に魔法を使えるフェアリーテイルの最終兵器。魔法の理を根底から覆すもの。それは……」
ゼレフの笑顔が悲しげに陰る……そして顔をあげるとツナに向かって衝撃の一言を放った。
「僕がかつて愛した女性……フェアリーテイル初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンの心臓だ」
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ