ゆっくりと ページ7
【桜井Aside】
「副長!!!!斉藤隊長連れてきました!!」
「あァ。終、Aが起きたぞ。A!こっち来い!!」
『はい!!』
___先ほど副長に怒鳴られて隊長を呼びに行った隊士が、隊長を連れて戻ってきた。
『隊長、おは……あ、いや、もう"こんにちは"、ですかね。すみません、非番だからといって目覚ましもかけずにいたらこんな時間になってしまって。』
「いや、非番なんだからいつまで寝てても構いはしねェよ。調子はどうだ?」
『まだ少々痛みますが、お陰様でなんとかなっています。先ほど山崎さんが包帯を取り換えるのを手伝ってくださいましたし。』
「…そうか。起きてすぐに騒がしくして悪かったな、今日はゆっくり体を休めろ。」
『ありがとうございます。』
ゆらゆらと煙を燻らせながら、副長は去っていった。続けて他の隊士も去っていき、沖田さんは"二人でどうぞごゆっくり"なんて言い残して去っていった。
…隊長は、まだ残ったままだ。
『隊長は戻らなくていいんですか?』
「……。」
隊長は相も変わらず喋ることはせず、かわりに私の袖を引っ張り、私の部屋の中に入れた。
『…えっと、どうされました?』
頭の上に疑問符を浮かべていると、隊長は私を机の前に座らせた。
(……???)
何をしたいのか掴めず、頭を捻らせていると、隊長は"そこで待ってて"というような手振りをして私の部屋を去っていった。
…とりあえず、戻ってくるであろう隊長を待つことにする。
*
___…しばらくすると、ノックが聞こえて、"どうぞ"と言えば、すっと戸を開き隊長が入ってきた。
隊長は机にお茶を二つ置き、その一つを私の前に差し出した。
『…え、これ、俺のですか?』
聞けば、隊長は首を縦に振る。
『そんな、お茶くらい俺がやったのに…すみません、わざわざ』
隊長は私の肩に手を置き、もう一方の手でグッドを作った。
『…ありがとうございます。いただきます。』
…そして、二人でゆっくりとお茶を飲み、穏やかな時間が流れる。
もうすぐ1時にも差し掛かるにも関わらず私の部屋でゆっくりする隊長を見ると、おそらく副長あたりが気を利かせてくれたのではと思う。
………そう思うと、自然と口角が上がってしまった。
幾度となく沈黙が流れるが、その静けさが心地良い。……安心する。
(…私は、この人と仲良くなれたのかな)
そうだったら嬉しいな、と笑みが零れた。
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やまなな(プロフ) - あずきぱふぇ@狂愛さん» ありがとうございます!もう更新しなくなって3年とか経ってしまっていたので、返すかどうか悩んだのですが…せっかくいただいてとても嬉しいので返させていただきました!鬼気まぐれ更新ですが、いつかなんとか完結させたいなあと思いますので何卒…! (2023年3月19日 20時) (レス) id: 57d00f58c5 (このIDを非表示/違反報告)
あずきぱふぇ@狂愛(プロフ) - ぎゃあああああ!!!終兄さぁぁぁぁぁん!!!更新楽しみにしてます! (2021年3月24日 14時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - 岡Pさん» ご覧いただきありがとうございます!!とても嬉しいです!応えられるよう更新頑張ってまいります! (2021年3月8日 17時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
岡P(プロフ) - 素敵なお話しですね。この先どうなるのか楽しみです。更新心待ちにしています。頑張って下さいね。 (2021年3月8日 1時) (携帯から) (レス) id: 8256504f4a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - くるみさん» わわわ、今でもご覧いただき、嬉しい限りです!!ありがとうございます!頑張ります!! (2021年3月5日 0時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまなな | 作成日時:2020年3月27日 17時