嫌な職場、良い職場 ページ47
【桜井Aside】
「___きちんと手当して、安静にしていれば治るでしょう。」
「そうですか!そりゃよかった!!」
___現在地、病院。いろいろ検査なんかをし、手当をしてもらったがどうやら安静にしていれば治るらしい。
『__ありがとうございました。』
「お大事に。」
包帯なんかをもらい、病院をあとにした。
_現在、パトカーで屯所へ戻る途中である。
「そういやお前、結構冷静に囮やれてたじゃねェか。」
『……そうですか?』
乗り合わせた沖田さんに、興味ありげに問われた。………確かに、襲われる寸前以外は、割と冷静になれていたような気がする。
「あァ、完全に役になりきってらァ」
『…それは良かったです。お役に立てたようで。』
何故こんなに冷静になれたのか…。終わってみて考えてみると、いくつか思い浮かぶものがあった。
『………おそらく、仕事だったからだと思います。今からくるぞとわかっているうえ、絶対に助けがくるとわかっていましたから。』
…ひとつめは、おそらくそれである。後ろで構えてくれている安心感、そして心の準備が整っていること。
『………まああとは、職を転々としているときに、ああいう類のことはよくあったというか。』
…ふたつめは、それである。
『10代半ばあたりで、さらに金がない女ときたら、雇い主の中年のおじさんなんかはセクハラをし始めるんですよ、逆らったら首にするぞ、といった具合で。』
………最近、そんな最低な職場が無かったものだし、しかも今なんか、皆が優しいなんて職場にいるものだから、そういう記憶が薄れていた。
『私が逆らえないのをわかっていて、それでいて通報されないレベルでいろいろしてくるので、なにもできないといいますか。……でも仕事のため、お金のため、と思うと耐えられるようになったんだと思います。』
………ここで、局長が複雑な顔をしているのに気が付く。
『……あ、でも、そんな思い出忘れるくらい皆さんに優しくしてもらっているし、その経験が今回の仕事に生かせたので良かったです。だから、そんな顔しないでください、局長。』
(……どこまでお人好しなんだか、)
『女なのに私を置いてくれた恩を返したいんです。もっと技術を磨くので、また使ってくださいね。』
局長が自分を責めてしまわないように、私は笑った。
「_____まったく、肝が据わった女でィ」
沖田さんは、面白そうに笑っていた。
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やまなな(プロフ) - ゆるさん» 返信が遅くなってしまい、大変申し訳ございません。御覧いただきありがとうございました!私も終兄さん好きなので、ご覧いただけて嬉しいです! (2021年3月4日 12時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すごく面白いです!個人的にも終兄さん好きなので嬉しいです! (2020年5月8日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - 颯さん» まさか今も見てくださる方がいらっしゃるとは…!!こちらこそ、本当に有難いです!!応援ありがとうございます、励みになります。更新頑張ります!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - ピエロさん» 大変返信が遅れてしまい、申し訳ありません!!ご覧いただき、ありがとうございます! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 久しぶりの更新有り難きです!!凄く好きな作品なので応援しております!頑張ってください! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 9993f1b014 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまなな | 作成日時:2019年1月5日 23時