ただ、怖かったのだZ ページ42
【斉藤隊長side】
____途中遭遇した敵の情報を絶つべく倒していき、3階に到達したZ
…3階にAさんはいると言っていたが、この階には人が見当たらない。
(………どの部屋だろうか、)
廊下を歩いていき、一部屋ずつ確認していく。
…副長の言った通り、無駄に広く部屋もたくさんあり、なかなか見つけることができない。………他の階のように見張りでもいればわかりやすいというのに。
………わざわざすべての部屋を確認するのを諦め、耳を澄ます。
(…無線の状況からして、なにか会話していてもおかしくない。)
_____と。
『い、や………』
………何か、小さいが声が聞こえてくる。
…わずかに聞こえる音を頼りに、そちらの方へ向かっていると。
『____たい、ちょ………、』
(___!)
……微かに聞こえた、聞き間違えるはずのない、その声が
(____ここか)
_____"バーーーーーン"と、Aさんがいるらしき部屋の戸を蹴破った。
「………真選組!?」
『たい、ちょ……う』
…そんな声とともに目に飛び込んできたのは、怪我を負い、さらに帯がほどかれたAさんと、彼女の着物に手をかけた男だった。
………一気に冷静さを失ったのがわかった。
____気づけば私は男を倒し、Aさんのもとへ向かっていた。
『隊長、』
Aさんはいつものように私をそう呼び、
『来てくださって、ありがとうございました!』
…なんて、笑ってのけたのだ。………絶対に、怖い思いをしただろうに。
………私はAさんの縄をほどいてやった。
『…ありがとうございます、たい__』
Aさんが言い終わるより前に、思わず彼女を自身の腕の中に閉じ込めていた。
『………隊長?』
彼女は不思議そうに私を呼ぶ。そんな些細なことで今ここにAさんが生きているということを実感する。…彼女が私の前から消えてしまわぬように……無意識に、抱きしめる力が強まった。
もし少しでも助けに来るのが遅かったら、Aさんが襲われていたら、___Aさんが、殺されていたら………、そんなことを考えはじめると、腕が震え出した。
____怖い、ただただ怖かった。Aさんがいなくなってしまうかと思うと、本当に怖かった。
………私の鼓動は速くなっていく。震えも、大きくなっていく。
(私の前から、消えないで____)
____なんて。
183人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やまなな(プロフ) - ゆるさん» 返信が遅くなってしまい、大変申し訳ございません。御覧いただきありがとうございました!私も終兄さん好きなので、ご覧いただけて嬉しいです! (2021年3月4日 12時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すごく面白いです!個人的にも終兄さん好きなので嬉しいです! (2020年5月8日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - 颯さん» まさか今も見てくださる方がいらっしゃるとは…!!こちらこそ、本当に有難いです!!応援ありがとうございます、励みになります。更新頑張ります!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - ピエロさん» 大変返信が遅れてしまい、申し訳ありません!!ご覧いただき、ありがとうございます! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 久しぶりの更新有り難きです!!凄く好きな作品なので応援しております!頑張ってください! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 9993f1b014 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:やまなな | 作成日時:2019年1月5日 23時