守りたいって思ったのだZ ページ32
【斉藤隊長side】
*
___コンコン、そんな音に、私は目を覚ましたのだZ
『Aです。入ってもよろしいでしょうか。』
続けて耳に入ってきたのは、私の直属の部下__もとい、Aさんの声だったのだが。
(男の声じゃない…)
…いつもとは異なり、女としての声だったZ
…よみがえってきたのは、二人で着物を選びに行った日のことだったZ
(…そうか、今日だったか)
着物を買いに行った目的……それは、囮の作戦のためである。
仕事であるというのに、…彼女の少々恥じらうように赤くなった顔に、少し動揺したのだったか。
新しい着物を嬉しそうに着る彼女は、なんというか年相応で可愛らしく。
…こんな彼女を一人見た自分に優越感を覚え、…それと同時に、囮のために彼女を使うのは、少々気が引けてしまった、というか。
…まだ17歳という彼女に、何か辛い思いをさせてしまわないだろうかと思った。
(ただでさえ、辛い思いをしてまで真選組に入ったのだろうから…)
____と。
『…あれ、いらっしゃいませんか?』
彼女は反応がないことを不思議がったようだった。
私は戸を開けにいった。
『…あ、いらっしゃったんですね!!』
「……!」
そこに現れたのは、例の着物を身にまとい、髪をまとめ、綺麗に化粧が施されたAさんだった。
……この間と、同じ感覚を覚えた。
年相応の表情を見せるときもあるとはいえ、彼女も立派な女性であり。……大人びて見えたのだ。
『山崎さんに確認してもらったので大丈夫だと思うのですが、どうですか?ちゃんと囮になれそうでしょうか』
くるりと一周したときに見えた項とか、赤く彩られた唇とか。……目を逸らせなくなるくらい、色っぽかった。
『……あ、あの、あんまり凝視されると、恥ずかしいのですが…』
…と思ったら、次は少女のように照れた顔。…ああ、なんというか。
(ずるい、)
年下の彼女に、こんなにも心を揺さぶられてしまうなんて。
…他の人に、見せたくない、だなんて。
(上司失格なんじゃ…)
誤魔化すように、右手でグッドをつくってみせると。
『良かった…。』
…と、彼女は嬉しそうに笑うのである。
『それにしても、こんな素敵な着物、囮に使うなんてもったいないですね』
…大切そうに着物に触れる彼女を見て、なんだか幸せな気分になった…と同時に。
上司として、彼女を守ってあげたい、そんな風にも思ったのだったZ
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やまなな(プロフ) - ゆるさん» 返信が遅くなってしまい、大変申し訳ございません。御覧いただきありがとうございました!私も終兄さん好きなので、ご覧いただけて嬉しいです! (2021年3月4日 12時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すごく面白いです!個人的にも終兄さん好きなので嬉しいです! (2020年5月8日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - 颯さん» まさか今も見てくださる方がいらっしゃるとは…!!こちらこそ、本当に有難いです!!応援ありがとうございます、励みになります。更新頑張ります!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - ピエロさん» 大変返信が遅れてしまい、申し訳ありません!!ご覧いただき、ありがとうございます! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 久しぶりの更新有り難きです!!凄く好きな作品なので応援しております!頑張ってください! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 9993f1b014 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまなな | 作成日時:2019年1月5日 23時