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「……それでは君、誓いの書第10章27節……ゴーストの召喚節を暗唱して。……おや、本日講義の範囲は、前回授業で告知していた筈ですが……。予習の為に教本を読み込んでおこうとは思わなかったのですか? それとも、召喚術如き……事前に学ばずとも、一度見聞きした程度で習熟できると……そう考えているのか。まあ、良いでしょう……。他に予習をして来た者は? 驚いた。これだけとは」
「……本日は、初めに"簡単な"記述試験を行います。範囲は……教本第560頁から、630頁より……無作為に出題してあります。合格点は7割
で…………なにを、騒ぎ立てているのです。予告ある受難など……この世には、存在し得ないのですよ」
「それでは……。第5学年となった君たちは、今学期より実践を行うわけですが……。まずは、ワタシが実演致しましょう。……そこ、方陣を踏まないで。……方陣が破綻すれば、召喚は成されないと…………お教えしている筈だがね。……さて。それでは召喚致しますよ。少し……離れて」
「これは……ワタシの手駒の中でも最上級のキメラです。……尤も、争いなき今、彼が有効に活用されることは、ありませんが……デモンストレーションとしては、多少なりとも華がありましょう……」
「……君たちの、授業態度を鑑みるに、ピクシーですら……召喚させる事は叶わぬと……。現状……そう言わざるを得ないでしょうね……」
「君たちが……どうなろうと知ったことでは無いが、ワタシには……保護監督責任がありますので。そこ、見えていますよ。……余計な小細工は、ワタシの管轄の外で……行ってくれると、有難いのだがね……」
「己の功績を誇りなさい。……時には、傲りも必要だと。君の、安寧の為にも。何事も……程々であれば、良い事なのだと……ワタシは、考えています」
「これは……692年前の春、ペガサスに蹴飛ばされた時の傷。こっちは、563年前、サイクロプスを召喚し損ねた時。その下は、これは……328年前の初夏、愚かな学生が割った窓を被った時の……。そしてこれは……もうよろしいので? はあ……聞きたがったのは君でしょうに」
「ワタシに……子供の、面倒を見ろと……? はは、君は冗談を好むと見えるが……くだらない」
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