9.↓まだまだ夏は終わってない ページ10
米屋side
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「はぁー…」
米屋「なんだよ、さっきから」
出水「ため息ばっかうぜーぞ」
「…なんかもう夏が終わるなーって思って」
出水「あーそれな」
夏休みの後半。
今日は学年登校日で、オレたちは久しぶりに教室で顔を合わせた
弾バカと春原の席が前後で、登校したらその2人が喋ってるから、オレもそこに寄っていく。このいつもの感じが久しぶりで、確かに、夏休み終了のカウントダウンを感じた
「浴衣も着てないし海も行ってない、ボーダー三昧の日々…それもいいけど寂しすぎるでしょこれ」
出水「そりゃどんまい、行く人いねーもんな」
「……出水はともかく、私なんてこんな優良物件なのに、おかしくない?」
出水「おれはともかく、おまえはザ・訳ありだろ!」
「口が減らねーなオイ!」
これが、ああ言えばこう言うってやつなのか。
言い合いのうちに、春原がムカついたのか弾バカの体をベシッと叩く。教室でのコントの一環みたいなやつも久しぶりだ
「出水だって私服センスに難ありじゃん」
出水「フツーだわ黙れ」
米屋「…オレは花火大会なら行ったぜー」
「…は!?」
出水「マジか!」
花火大会も海も行ってないこいつらに、自慢するように話すと、2人とも目をまるくした。そんで2人してオレのワイシャツを掴んで迫ってきた
出水「おい抜け駆けずりーだろ!」
「そうだよ!私たちを置いて…私たちの関係はこんなもんなの!?」
米屋「どんなカンケーだよ」
「え、なに!誰と行ったの?」
米屋「いとこの奴らと行った、栞とか」
出水「まじかよ」
「ずるい…いとこ…楽しそう〜」
春原と、今度は弾バカまでため息をついて力が抜けたように席に座るこいつら
そんなに夏っぽいことしたいのか
「あ〜あ、米屋だけリア充の階段を登ってるよ…」
米屋「言ったら親戚の集まりだけどな」
出水「リアルが充実だろ!付き合うとかそんなんじゃなくても、楽しければリア充だろ〜」
「そうだよ〜」
米屋「ふーん?じゃあオレらも遊べばいーじゃん、海行こーぜ、海」
出水・春原「………え!」
普通に思いついたオレの提案。息ぴったりでこっちを向いた2人は、同時にオレに向けて指を差してきた。やっぱ漫才コンビだな
*
その手があったか!
*
.
米屋「おまえらいつ非番?つーかどーせなら非番の隊で来れるやつ集めよーぜ」
「米屋パイセン、神っす!」
出水「さすが先を行くリア充!」
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作者名:ゆこね | 作成日時:2019年8月2日 2時