2話 ページ2
《太宰side》
＿＿＿『さよなら、治。』
太「A！！」
彼女の涙で目が覚めた。
太「……夢……か。
久しぶりにこんな夢……」
叫び声と共に起き上がったが、
そこに勿論、彼女はいない。
自分の体に血もついていない。
太「……A。」
もう一度彼女の名前を呼んでみた。
そんなことで彼女が戻って来るわけでも
何でもないのはわかっているつもりなのに。
あの事件の記憶は一瞬たりとも忘れない。
忘れられないし、忘れてはいけない。
あの事件から数日後のことだった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
鴎「大変言いにくいのだが……」
＿＿＿ああ、わかった。
首領の一声で何があったのか一瞬でわかった。
鴎「……A君が亡くなった。」
表情すら出てこなかった。
太「……そう……ですか。」
これ以上が何も浮かばない。
どんな顔をしていたのだろうか。
太「失礼しました。」
そう言って首領の部屋を出たのは覚えている。
けど、どう歩いたかも、誰に声をかけられたかも、
雨の外に出てどうやってあの場所に行ったかも、
何もわからない。
ただ一つわかるのは、
外に出て雨に打たれる私の顔には、
自分の目から垂れ流された涙が
絶え間なく流れていたことだけ……
太「……うッ………ッ」
一生終わることのないように思える雨の中で、
私は声を抑えて泣いたのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ririna世界より伊領(プロフ) - はじめまして！前作から読ませていただいております！すごく面白いです！更新楽しみに待ってます！｡ (2017年4月17日 20時) (
レス) id: c7e2de022e (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - 林檎さん» 忘れてました！外しました！ (2017年4月9日 21時) (レス) id: e1670f05a8 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - オリフラ外してくださいね！分からなかったら教えますよ！ (2017年4月9日 20時) (レス) id: f37d8d6958 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梓
| 作成日時：2017年4月9日 19時
