ツ ヅ キ 5 ページ31
Aside
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そういえば、席替えしてもやたらと十四郎とは席が隣だったかもしれない。
「今でも隣に座ってますってか、死ね土方コノヤロー」
ひょいと沖田が顔をのぞかせて暴言を吐く。
「なんでだよ」
「彼女と席が今でも隣なんて奇跡ですぜ、腹立つわ死ね土方コノヤロー」
「これがカップルの絆ってやつですか」
「深い絆よね」
「見せつけやがって死ね土方コノヤロー」
「う、うるせェな。つうか死ね土方コノヤローを語尾にするなよ」
『沖田だって彼女いるじゃん、神楽もすぐできるよ。新八は………ごめん』
「諦めないで!?僕もまだ可能性ありますから!」
新八も昔と比べて随分格好よくなった…はずだ。
わっとみんなで笑った時、銀八が声を大きくした。
「えー、んー、とりあえず全員席ついたか?んじゃあ乾杯するぞ、音頭は…え?俺やんの?」
隣にいる桂とボソボソ喋りながらコップを片手に持つ銀八。
「こういう時って何言うんだ?」
「なにかあるだろう、いい感じにまとめてください」
「無理だって、代われよヅラ」
「ヅラじゃない桂だ」
コントを繰り広げる二人に、早くやれよー、と声がかかる。
「え、あー、事故もなく、みなさん元気に揃ってくれて良かったです。かんぱーい」
「かんぱーい」
夏休み明けの校長の挨拶かよ、そういやハタ校長話長かったよね、何だこの締まりのない乾杯、なんていいつつみんな乾杯の声を上げた。
近くの席の子達とコップをぶつけ合う。カチンカチンという音が響きわたり、それだけでなぜか心が沸き立った。
***
十四郎がマヨネーズをご飯にかけてたり。
神楽が綺麗な食べ方でドカ食いしてたり。
沖田が色々な人と酒の勝負をしていたり。
お妙がついに近藤を踏みつけていたり。
九ちゃんがうっかり触れてしまった山崎を投げ飛ばしていたり。
新八が必死にツッコミに回っていたり、と。
その光景は、前と全く同じで。
流れる空気に、ああ、ここは3年Z組なんだと改めて実感する。
「なんか、こいつら全然変わってないな」
十四郎が、呆れたような、面白がっているような、それでいて少しほっとした様子で呟いた。
受験シーズンに入り、教室の空気がガラリと変わった時、かつての私と十四郎はついていけず悩んだという経験があった。たからこそ、この十年前と同じ雰囲気が続いていることに安心を覚えるのだ。
『うん、懐かしくもないね。そのまま、学生時代の続きやってるみたい』
「んじゃ、もっと続きやるカ?」
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 氷華さん» ありがとうございます!嬉しい限りです! (2019年12月25日 16時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 神威君ーーーーーーーーー! この小説いいね♪ (2019年12月25日 12時) (レス) id: e5c89771f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくれーぷあいす | 作成日時:2019年8月27日 1時