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妙side
·
「…あら、九ちゃん？」
「…妙ちゃんか！久しぶりだな！」
デパートの雑貨売り場で、懐かしい顔を見つけた。
もしかしたらと思って声をかけたら──やっぱり、九ちゃんだったのだ。
彼女は大学時代の同級生。同じサークルに入っていたのだ。大学を卒業して就職してから連絡を取り合うことも会うことも減ってしまい、かなり久しぶりに会った。
「元気にしてた？」
尋ねてみれば、九ちゃんはうなずいた。
「変わらずやっているよ。今日は職場の同僚に誕生日プレゼントを買おうと思って」
「あら、九ちゃんもそうなの？」
私も、同僚の誕生日プレゼントを買いにこのデパートに買い物に来ている。九ちゃんは驚いたように「妙ちゃんもか」と目を丸くする。
「ええ、サトウさん──その同僚の誕生日が、ちょうど一週間後なの」
「…サトウさん？僕がプレゼントを買おうとしていた同僚もサトウさんというんだよ」
しかも誕生日も一緒だ、という九ちゃんの言葉に、私もびっくりする。そんなことってあるのか。
「そうだ、よかったら一緒にプレゼントを選ばない？」
「ああ、もちろん！久しぶりに妙ちゃんに会えたんだしな」
…そんなこんなで、私と九ちゃんは一緒に買い物することにしたのだけれど。
なんと驚くべきことは、まだまだあった。
九ちゃんの会社も私の会社も、明日が臨時の休日であること。
お互い実家暮らしで、今日たまたま家族が出張に行っていることも同じだったこと。
最近、会社の先輩が結婚して男の子を出産したことまで一緒だった。しかも、その子供の名前も一致していたのだ。
そして、極め付きは。
「え！？九ちゃんの実家、新宿駅が最寄りなの？私の実家もよ！」
「そうなのか！全然知らなかったよ」
お互いの実家の最寄り駅が同じ駅で、同じ街に住んでいたのだ。
こんなにも九ちゃんと同じことがたくさんあるなんて。
「本当、すごい偶然ね！こんなに沢山のことが同じだなんて」
「僕も初めての経験だよ」
ならば今日は僕の家に来ないか？と九ちゃんが誘ってきた。せっかくだしお互いのことを話しながら飲み明かそうじゃないか、と。
私も一も二もなく承諾する。もしかしたら更に偶然の一致が見つかるかもしれない。
二人で並んでデパートをでて、気づく。
「あら、雨降ってる」
天気予報でもそんなことは言っていなかったし、傘はなかった。九ちゃんも雨具がないようなので、思い切って近くに停まっていたタクシーを使うことにする。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - ちぃなさん» ありがとうございます！これからも楽しんでいただけると嬉しいです。 (2019年10月30日 16時) (
レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
ちぃな - ホラー好きなので嬉しいです！更新楽しみにしてます。 (2019年10月29日 14時) (レス) id: 43ae00df60 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 綾葉メグさん» ありがとうございます！マイペースな更新ですが、これからもよろしくお願いします。 (2019年10月27日 17時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2019年10月27日 15時) (レス) id: fe3feae032 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくれーぷあいす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時：2019年10月15日 1時
