｢こんにちは、もう一人の私｣

▽ ページ16

｢はあ｣

結局、靴下が少し濡れてしまった。
リュックサックでは吸いきれなかった雨水が、教科書にまで浸透している。
おかげで社会の資料集がしなってしまい、私はホームルームまでそれを引きずっていた。

｢今日は学活の授業で、アンケートに答えてもらうからな｣

アンケート？ え、なにそれー？
教室がざわめく。

｢学校生活に関するアンケートだよ。六時間目に行うからよろしくなあ｣

先生はそう言うと教室を出ていってしまった。

……最悪だ。

アンケートって……信頼出来る友達はいますか？ とかを聞かれるやつでしょう。
そんな質問を見たら惨めになるからやめて欲しい。

なんでこう今日は不運なんだ。

私はざわざわと煩い教室の片隅で、さらに深いため息をついた。

＊＊＊＊

教室移動。

それは私の敵だ。
廊下を一人で歩くと皆察したような目でこちらを見る。
ああ、あなたは一緒に行動する友達がいないんだね。あなたは一人、ぼっ……もう考えるのやめよう、悲しくなるだけだ。

一人でいるのは楽だし(正直友達同士のいざこざはうんざりだ)、普段特に問題はない。
何かの班をつくる時は大人しい子達同士で集まればいいし。

そんなことを考えていると、美術室についた。
美術は黙々と作業をしていればよいので、比較的好きだ。音楽は大勢の前で歌うとか考えるだけで鳥肌が立つ。

--------------- ｷﾘﾄﾘ ---------------

順位が2桁に……！
65位……！
凄く嬉しいです、見てくださってる方有難うございます！

▽→←▽ 平凡

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