少女2 ページ2
『ただいまぁ。』
玄関を開けるとリンリンと鈴がなる。
重たい扉を開くと食事中だったらしく、お箸を持ったままの母親と出会う。
「何時だと思ってるの…?」
鬼の形相とはまさにこの事だろう。
それでもヘラヘラ笑いながら
『え?い〜ま〜は〜…八時ですねハイ。』
と答えると、風呂場から白髪の少女が出てくる
《また遅かったの〜?》
それを黒髪の少女が弁解する
〈違うの…ナナ。いつものが少し長引いただけ〉
《エミばかりいいなぁ〜!》
羨ましそうにこちらを見るが、知らん顔で少女はどうでも良さそうに母の説教を聞き流していた。
「ねぇ…聞いてるの?」
『は〜い。ごめんね。テストあるから勉強してくるぅ〜』
怪訝な顔の母親の懐をスッと通り過ぎ部屋に直進する。
ご飯はぁ?!と声を聞いたけどそのまま無視
力いっぱいバタンと一度閉めてあれー?と言いながらまたゆっくりと閉め直す。
そして、扉越しに
『そんなに早く帰ってきて欲しかったら帰りたくなるような家を作れよ。』
《ねーぇ!次はナナ連れて行って!》
なんて説教や殺気のこもったさっきの言葉なんて知らないように白髪の少女は彼女の周りを飛び回る。
先程の表情とは打って変わって
『二人くればいいのに…』
なんてけろりとして言えば黒髪の少女はため息をつく
〈はぁ…〉
友達の恵美ちゃんと夏奈ちゃんをモデルにしたエミとナナは、性格が正反対に出来上がり、そして見た目も正反対に出来上がった。
そんな彼女たちと話しながら
(友達をイマジナリーフレンドの参考にするとか…ほんときもいな。私)
なんて考えた。
会話が尽きた頃、またポツリと呟いた
『あ〜…神様になりたい。』
神様になってかわいい女子をたくさん…
そしてかっこいい男子と大恋愛をさせて、幸せにして、また子供が生まれて、その子がまた冒険しながら幸せにして…
そんなことをしていきたい。
私が神様になれば、世界はきっと、今よりは良くなる。
そんなことを考えながら宿題や明日提出のレポートなんて手を付けるわけなく
スムーズにベッドの上にあったスマフォを手に取ると、自分のネット活動名MARと調べ、ソーシャルゲームをし始めた。
〈明日テストだよ?いいの?〉
『いいんよ!どうせ努力しても意味ないし!』
《あー!そのゲー厶私も好きぃ〜!》
小さなネットの世界
そこで出会ったゲームの主人公がとてもかっこいいのだ。
ベッドに寝転がりながら手を動かした
_神様になりたい_
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