263話 「無事で、よかった…」 ページ13
みゆきside
東郷「あの〜…。お取込み中、申し訳ないんだが…。そのお嬢さんは“元の世界”と言ってたが、この辺に住んでるわけじゃないのか?」
みゆき「私は三次元の世界から来たの」
東郷「三次元!?…って、なんだそれ!?」
みゆき「私の住んでる世界ではおそ松達のことが『おそ松さん』っていうタイトルでテレビアニメをやっていて、話題になっているの。私にとって、あなた達のいる世界は二次元にあたるの」
東郷「テレビアニメ…?」
みゆき「でも、東郷さんはアニメには出てなくて漫画に出てたっていうのをインターネットで調べたことがあるよ」
東郷「インターネット!?なんだそりゃ!?」
トド松はズボンのポケットからスマートフォンを出した。
トド松「今なんて、スマートフォンっていう便利な物があるよ。えへへっ」
東郷「スマートフォン!?」
そこへ警察の人達が入って来て、東郷さんを取り押さえた。
警察官1「おとなしくしろ!」
警察官2「逮捕!!」
警察の人は手錠を取り出して、東郷さんの両手首に手錠をかけた。
東郷「くそっ…」
外にはパトカーが止まっていて、東郷さんは警察の人達に連行された。
警察官3「ご協力、感謝します!」
十四松「お疲れ様で〜す!」
みゆき「ど、どうも…」
(リアル逮捕劇…。)
東郷さんと警察の人達はパトカーに乗り込み、走り去って行った。
みゆき「トド松、大丈夫?」
トド松「うん、大丈夫だよ。たまたま、パトカーが通ってたんだ。“変な人が家にいるかもしれないので、タイミングを見計らって突入してください”って頼んでたんだ」
みゆき「はぁ…。びっくりしたぁ〜…」
私は腰が抜けてしまった。
トド松「みゆきちゃん!」
トト子「大丈夫?みゆきちゃん」
みゆき「う、うん…」
トト子「立てる?」
みゆき「うん…」
トト子ちゃんに手を差し伸べてもらって立ち上がった。
みゆき「ありがとう…」
立ち上がったら、カラ松がいた。
みゆき「カラ松…」
カラ松「バカ!!」
カラ松は私を抱きしめ、泣いていた。
みゆき「えっ…?ちょ、ちょっと!やだ!みんな見てるよ!」
カラ松「無事で、よかった…」
みゆき「えっ…」
カラ松「もし、ここで死んだら…。二度とパパとママ、大和くん、大学と学生会館の人達に会えなくなっていたんだぞ…!」
みゆき「あっ…」
以前の私なら、心のどこかで「私がいなくなれば、みんなが幸せになる」と思っていた。
264話 「みゆきちゃん、かっこよかったよ!」→←262話 「みゆきちゃんは優しい子なんだよ」
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よっちー | 作成日時:2017年6月12日 22時