262話 「みゆきちゃんは優しい子なんだよ」 ページ12
みゆきside
東郷「怖いのはおそ松だよ」
みゆき「えっ…？」
東郷「俺は10数年前に逮捕されて…。脱獄してすぐ、おそ松の家の近くに向かってたんだ」
おそ松「えっ…」
東郷「そこにたどり着く途中…。知ってる店はなくなってて、ケーキ屋になってたよ」
(昨日、配達に来たケーキ屋さんのこと…？)
東郷「周りを見れば、ものすごい列で女数人やカップルが並んでて…。幸せそうに話をしながら待っているのを見て、ふと思いついたんだ。“今の松野家を壊してやろう”ってな」
みゆき「そんな…」
東郷「そして夜中に松野家の前に来たらカラ松がはりつけにされてたんだ。チビ太に火をつけられたのに、誰も助けないでおそ松と他の兄弟が一緒になって物を投げつけるのを見たよ。さすがのチビ太も火はちゃんと消したようだ。ありゃあ、人間不信やトラウマになっちまうよ」
ふと、おそ松とカラ松を見ると体が震えていた。
チョロ松「おそ松兄さん…」
みゆき「カラ松…」
私はカラ松の所、チョロ松はおそ松の所に行った。
お母さん「もう…。いいでしょう」
振り向いたら、お父さんとお母さんがいた。
みゆき「お父さん…。お母さん…」
東郷「お久しぶりです…」
東郷さんはお父さんとお母さんにおじぎをした。
お母さん「あなた達の話を聞かせていただきましたよ」
お父さん「確かにうちの子達はニートで…。“お互いを傷つけ合うこともあった”と母さんから聞いてたよ」
みゆき「私は…」
一松「…ん？」
みゆき「高校時代の人達をいっぱい傷つけたと思う…」
一松「…大和くんと…。クラスの女子二人のこと？」
みゆき「うん。大和は“何か悩んでるだろ？”って、言ってくれたのに何も言えなくて…。クラスの女子二人は高校1年生の夏休み明けの始業式に“ご飯食べたり、遊んで帰らない？”って誘ってくれたのに、大和の友達が周りにいたのが怖くて“手持ちがない”って断っちゃったの…」
東郷「フン！とんだ臆病者だな」
トト子「ちょ、ちょっと…。黙って聞いてれば…！」
十四松「みゆきちゃんは優しい子なんだよ。本当のことを言ったらみんなが傷つくことがあるでしょ？」
一松「…うん」
トド松「そうだね」
十四松「でも…。みんなには気を遣わないで、なんでも話してほしかったんだよ」
みゆき「十四松…」
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『ピクシブ百科事典』の「東郷さん」を参照しました。
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作者名：よっちー | 作成日時：2017年6月12日 22時
