黄色いDiary 6

2015/05/25 ページ30

「なに、これ」

俺の目の前にスマホ。
口と目、尖ってる。

あら、珍しい。
アナタがそーゆーの
ネットで見つけるなんてさ。

「友達から回ってきた」

へぇー。


この人が俺に見せてるのは
俺の名前が付いた
バラエティが載ってる
TV誌の記事の写真。


わざわざアナタに送ってくるなんて
その、友達、誰？
俺の知ってる人？


「ンなこと、関係ない。
　いーから答えて。
　これ、俺、聞いてない」


いや、聞いてない、って。
それこそ関係ないわ。
ワタシ、オシゴト
マジメにしてるだけ、ですが？


「ニノ子は自分の知らない世界を語る
　男性たちに『すごい！』を連発、って。
　・・・なんか、すげー、ヤだ」


記事、音読されてもね。
ヤダ、って言われてもね。


「スカート持ち上げて美脚見せたり
　なんのサービス？
　座り方だって女子だし。
　顔じゃんけん？
　なにこの可愛いポーズ」


ほら、俺、女子力高い男子の二位だし。
求められれば応えますよ。


「その言い方ヤダ。
　求めていいのは俺だけだもん」


もん、って。
オジサン、いくつなのよ。

　

「いま、
　求められれば応える、って
　・・・言ったよね」
　
　

あ。。。
変なスイッチ、入った、かも？


「んふふふふ。
　カズ、おいで？」


ヤダ、絶対。
何する気だよ！

もう、この人さ。。。

目が怖いよ。
なんか考えてるよ。

逃げ腰の俺のコト。
後ろから抱き締めて。

こら。
耳元で囁くなってば！！


・・・俺が逃げられないの知ってるくせに。
ズルい人だよ、アナタって・・・
　

なぁんてね。
一番ズルいのは、俺。


きっとね。
こういう、反応、
するって判ってた。


普段は仙人みたいに
なーんにも執着しないのに
俺のコトになると
アナタの執着、すごいもん。


TV誌で、ってのは嬉しい誤算。
オンエア観て、
スイッチ入ると思ってた。

わかってやってる。

どうすれば、可愛くみえて
アナタがヤキモチ、
妬くのかも、考えてる。

アナタのことをさ。
いつでも考えてるんですよ。
ピン仕事、でもね。


だって。
アナタは魅力的な人だから。
気を抜けないんです。


いつだって、俺のコト、
見ていてほしいから。
求めてほしいから。


ほら。
俺って、健気で一途なんですよ。


「こっち向けって」


嫌がる俺のアゴ、
クイって自分に向けて。


熱い視線にとけちゃいそう。


ほら。
もっと欲しがって？？

求めてくれたら
ちゃーんとこたえる、から、ね///

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