振り向いてよ、王妃様【あんスタ】

三十二話 ページ33

晃牙「うがああ！A先輩を離しやがれ吸血鬼ヤロ〜！！

　 それによう、勝てなきゃけっきょく何もかも意味ね〜んだよっ、畜生が！

　 あぁくそっ、俺様はまだまだ満ち足りてねぇぞ生徒会長さんよぉ！
　 これで終いかよっ、かかってこいよ！

　 まだまだ、十回でも百回でも延長戦をしてやんよ！
　 演奏を止めてんじゃねぇっ、ルールなんて関係ね〜んだよ！

　 血も骨も残らないぐらい、ギッタギタにしてやる……！」




晃牙はAを零から引き剥がし、英智に牙を剥く




『おぉっ…！？
　晃牙は力が強いのう…。
　妾、倒れるかと思ったぞい』




晃牙の力の強さにAは驚く




薫「え〜？
　 やだなぁこの子、空気読めてないんだけど！
　 何とか言ってやってよ、朔間さ〜ん？」




零「これこれ、もう決着はついたわい。
　 控えよ、わんこ。
　 敗残者ほどみっともないものはないぞよ、早めに舞台から退散するべきじゃ

　 老兵は死なず、ただ去るのみ。





　 それに、これ以上Aに、『fine』の者と同じ空間に居させるわけにはいかんからのう…」




英智「あはは、ひどい言われようだね




　 今日一日、君たちが共にいたのも、そのピアスも、君の独占欲かな……朔間くん」




英智は笑っていたが、だんだんと目が笑わなくなっていった




零「くくく。
　 人の事情にとやかく言うものではないぞい

　 さてアドニスくん、わんこを無理やり引きずって舞台から降ろしてくれるかのう？」




だが零は、静かにその視線をかわす




アドニス「心得た。
　 腕力に物言わせるのは、得意だ

　 大神。
　 いったん撤収すべきだ。
　 かなり負担をかけたので、楽器も俺たち自身もメンテナンスする必要がある

　 A先輩の体調も心配だ」




そう言ってアドニスは、晃牙を引きずっていく




晃牙「ぐあ〜っ、てめ〜アドニス！
　 覚えてろよっ、俺様はまだまだ食い足りねぇ〜んだよ！
　 はなせ〜っ、ボケカスアホンダラが……！」




叫びながら、晃牙は舞台袖へと消えていった




『ふふふっ、晃牙は元気じゃのう…
　見ていて微笑ましい限りじゃ』




零「くくく。
　 気を取り直して、最後にひとつだけ言わせてもらおう」

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