振り向いてよ、王妃様【あんスタ】

二十二話　「処刑」 ページ23

〜屋外ステージ〜




『UNDEAD』の処刑が始まろうとしていた




零「もはや、こんなものは『対決』ですらない。
　 天祥院くんの、高らかな勝ち名乗りじゃ」




タタタッ




『零！』




真「A先輩！」




Aが零のもとへ走ってきた




『昼に外に出てはならぬと、あれほど言ったじゃろう！？
　心配させんでおくれ･･････』




Aは持ってきた日傘を零にさす




零「Aこそ、こんな舞台を見にくることはない

　 昨日、倒れたばかりじゃろう。
　 心配なのは我輩も同じじゃ

　 Aの迎えもきたからの、我輩は失礼させてもらう

　 気をつけよ。
　 天祥院くんは、心を折りにくるぞ

　 他人の心を希望を夢を噛み砕き、貪り喰らい、取りこんで己のものにする。
　 邪悪な夢魔のごとき、覇者じゃよ

　 ゆめゆめ警戒しておくのじゃな、もう遅いかもしれんが･･････。
　 幸運を祈っておるぞ、『Trickstar』の諸君

　 さぁA、もう『fine』を見てはならん。
　 ここにいても、無駄に傷つくだけじゃ」




『あぁ･･････。
　そう、じゃな･･････』




そう言って、二人は去っていった









『零、妾は･･････怖い』




軽音楽部部室で、Aは呟く




『革命を起こしてほしいと願い、綺羅星を集めた。
　じゃが、『皇帝』が帰ってきた今、妾にできることはない

　『UNDEAD』も、妾のせいで処刑されたも同然･･･「それは違うぞ、A」』




零「おぬしがそう思ってしまうのもわかる

　 じゃが、一人で抱えこむな。
　 辛いときは、我輩がAの盾となろう




　 だから、もっと俺を頼れ、な？」ギュッ




零は口調を変え、うつむくAを抱き締めた
Aの苦しみが、少しでも和らぐように




『ッ･･････』ポロポロ




Aの眼から涙がこぼれる
それはAと同じセーターを着た零の制服に、小さなシミをつくっていく




『怖い、怖いの零･･････！

　あの綺羅星たちが、私たちと同じ末路を辿るのが！
　尊く愛しいあの光が、一年前のように消されるのが！


　怖くてたまらないの･･････！』




あまりの苦しさに、Aもいつもの口調がとれていた




零「(･････こいつは、背負ってるものが多すぎる

　 なぁ、俺にも･･･････一緒に背負わせてくれよ、A)」









それから、すぐのことだった
『Trickstar』、解散の知らせを聞いたのは

　

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