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善「化ケモノだァーッ!!」
猪頭はふしゅううぅと息を吐いていて、正直に言って気持ちが悪かった。すると何を思ったのかこちらの方に向かってくる。
私は咄嗟に正一くんを庇う様にして立つ。
善「ギャアアァ!!!」
貴方「……ッ…」
猪頭は凄い勢いで床や壁を蹴り、方向転換して何処かへ去って行った。
貴方「………あれは人…?」
猪頭が走っていった方向を見て呟く。
すると善逸の声が耳に入った。
善「何だよォその目なに!?やだそんな目!」
その声を聞いて善逸の方を見ると、正一くんが善逸のことを見ていた。まあ確かにそんな目をしたくなるな。うん。
とはいえずっと此処に居るわけにもいかないので善逸に声をかける。
貴方「善逸、とりあえず歩こう。ここにいたって何もないよ」
善「歩くの!?此処に居ようよ危ないよ!!」
貴方「此処に居ても危ないよ。ほらはやく」
そう言って私は正一くんの手を掴んで歩き出す。すると反対側の手に強い衝撃が走った。
善「わかった、わかったから置いていかないでくれ。そしてこのまま手を握っていてくれ!!」
掴んでいる手を更に強めてくる善逸。握っていてくれって、一方的に掴まれているだけなんですけど。
貴方「……ハァ。わかったよもう。じゃ、正一くん行こうか」
正「あっ、はい!」
善「絶対離さないでね!?」
貴方「……」
漸く歩き始めた三人。Aを先頭に二人は引っ張られるように歩く。
貴方「……」
善「…ハァッ……」
正「……」
正「……あ、あの、Aさんってどうしてお面を着けているんですか?」
沈黙に耐えかねた正一が問いかける。
そう皆さんお忘れかもしれないが私はお面を着けている。理由を付けるならただの直感だ。
貴方「特に理由はないよ。なんとなくだから。もしかして顔見たい?」
正「あ…えっと、はい。少し気になります」
貴方「じゃあ、此処から皆で出られたときに見せます。だから、頑張ろう」
正「はい!」
ところで気になることが1つ。
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作者名:夜百合 | 作成日時:2017年12月1日 21時