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善「はあ…はあ…はあっ…はっ…」




貴方「……。」




善「フウゥーン……フーッ」




正「……


すみません善逸さん」




善「ヒャーッ!!」





そう、先程から気になっていたのは善逸のことだ。




善「ウォッ、ウォォォォッ!!!」




奇声をあげたと思ったら、がばしと私に抱きついてきた。しかも涙と鼻水を流して。何なんだこの人は。




善「合図合図合図合図をしてくれよ話しかけるなら。急にこないでくれよ。心臓が口からまろび出る所だった。もしそうなっていたら正しくお前は人殺しだったぞ!!わかるか!?」




正「すみません…




ただちょっと…息が酷すぎて………」




貴方「うん。あと汗と震えもかなりヤバイよ」




善「なんだよォ!!俺は精一杯頑張ってるだろ!」




……誰が見ても私に引っ張られているこの状況の善逸が頑張っている、とは言いにくいと思うのだが。




正「いや申し訳ないんですけど、俺も不安になってくるので……」




善「やだごめんね!!




でもなでもな!?あんまり喋ったりしてると鬼とかにホラ!!見つかるかもだろ!?
だから極力静かにした方がいいって思うの俺は!


どう!?」





貴方「そうだけどね、善逸の場合は息だけでうるさ」





うるさいんだよ、と言おうとしたその時。ガサ…という音が聞こえてきたと共に、私の視界に鬼が入ってきた。





鬼「ぐひ、ぐひ、子供だ。舌触りがよさそうだ」




善「ほら御覧!!出たじゃない出たじゃない!!」




目は四つあり舌も長く、大変気持ち悪い見た目の鬼に対して、私は刀を向ける。





貴方「(近くに他の鬼はいなそう……ならなんとかなるかな)」




そう思い、鬼に向かって走りだそうとしたら善逸が腰にまとわりついてきた。





貴方「え…ッちょっ善逸、」





善「何してるのA危ないよ逃げようよ!!」






貴方「……、」






たった今善逸にまとわりつかれたことで危険に晒されているAは、この状況で戦うのは無理だと察し、善逸を引っ張り、正一を担ぎ上げて走り出した。

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作者名:夜百合 | 作成日時:2017年12月1日 21時

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