206:少女、奇遇 ページ44
「心臓破り見ました！カワイくてカッコよくて！すっごく素敵でしたA先輩！！」
「俺にもチャームかけてください！」
「よければMINE交換とか…！」
「入間先輩とアスモデウス先輩どっちとつきあってるんですか？！」
「彼氏いますか？！」
「好きです！」
「「「Aせんぱーい！！」」」
『ひゃああぁああぁｯ？！』
1年生達の勢いに押され向かう方向と逆に流されていく。凄まじい圧に(潰されるかも…！)と危機を感じた瞬間、
「静かに」
『っ！？』
どこからか伸びた腕に引かれ集団を抜ければ、廊下の壁との間に隠すよう挟まれた。姿の見えない私を追い去っていく群を見送り…残ったのは
「スミマセン。潰されそうだったんで」
『いえｯありがとうございま…、あ！』
「っス。マーく…親戚がお世話なってます。1年の
マルバス･F･ヤバシ…です」
▷▶︎▷
「ひとりで1年塔はムチャっスよ」
『すっすみませんでした…』
廊下突き当たり、正座する私と胡座で座る彼。
つい居直ってしまうこの雰囲気は最早お馴染みの
『(カルエゴ先生に怒られてる時のやつ…！)』
「試験以来、皆…先輩近づきたくて必死なんで。ハッキリ言わないと」
『はぃ…』
まさかクララが話してた”イイヒト”とマーチ先生の”親戚の子”が同一人物だったとは。師の親戚、それも後輩に初対面で注意される恥ずかしさ。ゔぅ､顔が熱い。
「誰に用スか？送ります」
『え？！や､そんな｢また囲まれて終わる気がします｣んﾞｯ！』
悲しいかな私自身そんな予感がする。でも申し訳ないし、もしマーチ先生に知られたら…！
唸りつつ頭を抑えた左手に、ふと
「ほっとけないんで」
熱をもった皮膚が重なって
『へぁ』
「あと名字被るし名前でいいッス」
『ぁ､は…ぃっ…？』
指の腹が手の甲を掠め思わず両手を下げる。けれど彼の手が退く素振りはなく、居た堪れず首を竦めた。なんだか…”眼”、が
『〜〜ｯ…!』
身体の内まで見透かすような――
「A先輩！！」
凍てつく空気が流れ背後から上半身を抱き込まれる。
下から覗けば険しい顔の
『チマちゃ「行きましょうA先輩！『えﾞ？！』さあ早く！」あﾞ！えとｯ､助けてくれてありがとう！！またねマルっ…、ヤバシくん！』
前をゆく背に声を掛けようとして、そのただならぬ様相に唇を結ぶ。
チマちゃんの冷気がまるで、触れた手の熱を冷ますように漂っていた。
『(びっくりしたぁ…！)』
「…っス。また、会いに行きます
―――A先輩。」
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夜雨(プロフ) - 名無し11981号さん» コメントありがとうございますー！！随分と熟睡できない日々を過ごさせてしまいました…＾＾ようやく7章始動となります！これからも愛読してくださると嬉しいです…！ (2023年3月30日 11時) (
レス) id: 2b5b6ce78a (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - kanayamamoto112さん» お待たせしました…！7章開始になります！ゆっくり更新になりますがそのぶん楽しんでいただけるよう頑張ります＾＾次の章でも夢主ちゃんは大変な目に遭います！(鬼) (2023年3月30日 11時) (レス) id: 2b5b6ce78a (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - カキフライさん» 閲覧、コメントありがとうございます！お待たせしました7章開始となります！こちらも楽しんでいただければ幸いです＾＾ (2023年3月30日 11時) (レス) id: 2b5b6ce78a (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - ユノンさん» 閲覧ありがとうございますユノン様！本日7章開始となりましたー！よろしければ引き続き見てやってください＾＾ (2023年3月30日 11時) (レス) id: 2b5b6ce78a (このIDを非表示/違反報告)
名無し11981号(プロフ) - 一章からまとめて読みました！！続きが気になりすぎて寝れそうにありませんw.続き楽しみにしてます！！更新頑張ってください！ (2023年3月20日 21時) (レス) id: c91637211e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜雨 | 作成日時：2022年6月6日 18時
