201:少女、忸怩 ページ39
『な…にも…ッ……!なん…っにも、できなかった…!!
入間にっチマちゃんにヴィネくんに皆に助けられて!試験やれた気になって、!
”わかってたのに゙ッッ”!!!!』
わかって、いたのに。”あれ”が危ないものだと…おそろしいものだと。
知っていたのに、…あの脅威に容易くも捕まり、結局みんなを危険に晒し、あんな…させたくもない
ああやっぱり、だめだったの。
”位階5の悪魔”として期待されていると、よろこんで
先輩らしく、って…慕ってくれるチマちゃんのキラキラした瞳に恥ずかしくないように、って
たくさん考えて。考えて、考えてッ…
『―――いくら考えてもどうにもならない時があるってこと!!忘れたの入間っ?!』
違う
忘れてたのは、私のほう。
頼もしいチームとクラスメイトを”巻き込んで”―――”どうにかできる”と勘違いしたのは私なのだ。その結果みんなを傷つけ…機会を奪い
『〜〜っい、
生きのごりたかったぁ゙ぁああぁあ……ッ!!
っほ、ほんとはみんなでッ、あぶの…まるクラス全員で!表彰式でたくて、!〜〜っがんばったのにぃ…!』
エリザちゃんとケロリちゃんに普段通りになんてできなかった。
ワガママを言って、大変な思いをして協力してくれたのに助けにすら行けず
最後まで戦うことさえできなかった私はただ2人を、…6人を利用したに過ぎない。
『ゔっ…ぅ゙ぁ、”6”にッ…!―――ランク、あがりたかった…!
あがりたくて…!そんな、簡単じゃないって…!わかってて!だけどッ…!』
すこしでもはやく、自信をもってあなたの隣にたてるように。
驕りでしたか
信頼を、親愛を利用した罰ですか
「―――アンタなら理解るはずよ、A」
『ッ…!!』
(もう一度あの方に会うためなら)
(もう一度…入間に会うためなら)
(どんなに醜く汚い音だって)
(どんな手を使ったとしても)
((あなたのいない世界で生きていけるわけがなく))
「デルキラ様の代わりなんているわけがないのよ!!!」
遠く聞こえたのは、罪責感を思い出させるに充分すぎた嘆き。
それは”あの時”…私が入間に賭した執着とおなじもの。
逃れられないと悟りながら。入間を道連れにするつもりも、けれど諦めるつもりもなかった。でもあの叫びを聞いたとき
…カルエゴ先生が抱き留めてくれていなければ
私は、きっと
「…ッ」
背中を支える両腕が力を増す。
あたたかい苦しさだけが、今自分がここに在ることを証していた。
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夜雨(プロフ) - 名無し11981号さん» コメントありがとうございますー!!随分と熟睡できない日々を過ごさせてしまいました…^^ようやく7章始動となります!これからも愛読してくださると嬉しいです…! (2023年3月30日 11時) (レス) id: 2b5b6ce78a (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - kanayamamoto112さん» お待たせしました…!7章開始になります!ゆっくり更新になりますがそのぶん楽しんでいただけるよう頑張ります^^次の章でも夢主ちゃんは大変な目に遭います!(鬼) (2023年3月30日 11時) (レス) id: 2b5b6ce78a (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - カキフライさん» 閲覧、コメントありがとうございます!お待たせしました7章開始となります!こちらも楽しんでいただければ幸いです^^ (2023年3月30日 11時) (レス) id: 2b5b6ce78a (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - ユノンさん» 閲覧ありがとうございますユノン様!本日7章開始となりましたー!よろしければ引き続き見てやってください^^ (2023年3月30日 11時) (レス) id: 2b5b6ce78a (このIDを非表示/違反報告)
名無し11981号(プロフ) - 一章からまとめて読みました!!続きが気になりすぎて寝れそうにありませんw.続き楽しみにしてます!!更新頑張ってください! (2023年3月20日 21時) (レス) id: c91637211e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜雨 | 作成日時:2022年6月6日 18時