神様にもわからない＃2 (ページ43)

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左京side

一成「フルーチェさん少しいい？」

左京「なんだこんな時間に。もう消灯時間はとっくに過ぎてるだろ」

天馬「Aの事で話がある」

左京「A…！？入れ」

秋組の千秋楽が無事終わった日の晩、珍しく三好が真剣な様子で話しかけてきた。

それも三好だけじゃなく皇に佐久間、瑠璃川まで、同じ様な顔をしている。

左京「それで、Aがどうした」

咲也「確認なんですけど、左京さんはAさんという人が誰だか分かるんですか？」

左京「神佐A、自分を『神様』だとぬかすちびの事だろう？」

幸「アンタどこまで知ってるの？」

左京「隠してもしょうがねえ。
お前らの言ってる神様と皇の言ってる家政婦が同一人物だってことにはだいぶ前から気づいてた」

天馬「だったら教えてくれてもよかったんじゃないか」

左京「教えてどうなる。この劇団からも、お前の所からも、突然消えたんだろ。同一人物だと分かったところで見つけ出せるとでもいうのか？」

天馬「それは…」

左京「それより何で今あいつの名前が出てくる？」

咲也「それが実は…」

佐久間は事の顛末を話した。

左京「今日、来てたのか…？」

天馬「俺はこの目でしっかり見た。あれは間違いなくAだ」

咲也「オレも、『神佐ちゃん』と呼ぶ男の人の声が聞こえました」

天馬「その後、その男とAは青ざめた顔をして走ってどこかに行った」

左京「その男は何歳くらいだ？」

天馬「30後半くらいだと思う」

30後半、あいつの事を『神佐ちゃん』と呼ぶ男。

思い当たるのは一人しかいない。

時間を見つけて鹿島さんに聞いてみるか。