団長、そろそろ通報していいですか？

33話 ページ36

｢できなきゃ殺される｣

だから親でも殺す？




あの親に抱く情は無いと言っても、何となく気が引けた。


正しいとか正しくないとか論理的な事じゃなくて、

自分を産んでくれた人を躊躇なく殺せるほど私は薄情じゃない。




悩んでいるうちに、気付いたら１日は過ぎていて、
その日は一睡も出来なかった。









｢どうしたの？｣


ご飯を食べている時、突然かけられた声。

セリフに似合わず目は笑ってない。





『何でもない…！少し寝ぼけてただけ！』


口から出任せの嘘をついて、誤魔化すように傍にあった資料に目を通した。



そうでもしないと生き残れないから。

この人に逆らったら殺される。


実際、凄腕の殺し屋で、私はそのお手伝いをしてる感じ。

元々そういう契約で養ってもらっているし。


普段は優しくてフレンドリーだけど、仕事の邪魔でもしようものなら死ぬだけで済むだろうか。


とにかく、早くこの場を離れたくて、
食器を片付けたあと、すぐさまいつもの戦闘服に着替え、

圧に押されるがまま任務へ向かってしまった。

34話→←32話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す