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でも、落ち込んでる暇はない。
もしこれが誘拐なら、誰が何を要求してるのか。それがわかれば、突破口を見つけられるかもしれない。
Aは牢を見回して状況を把握する。
同じように攫われたであろう人が自分以外に数人。
皆、身なりは見窄らしく、裕福どころか貧乏人や孤児、浮浪者のような雰囲気だった。
──身代金では、ない。目的は一体何？
金持ちを誘拐するのは、消えたら困る人を人質に金を巻き上げるため。
では、消えても困らない人を誘拐するときは？
最悪の答えが導き出されようとした刹那、足音が牢屋に響いた。
くすんだ金とも茶とも言える髪色の、ガタイのいい男性が牢の前を歩いている。
意を決して、Aは直球で尋ねた。
「あの、ここはどこですか？ 私達はどうなるんですか？」
「ここは宇宙のど真ん中。地球を発ってから2日経ってるからな。嬢ちゃん達は奴隷として輸送されてんのさ。悪く思うなよ、俺達だって仕事なんだ」
「最悪の事態だ。2日も経ってるなんて、仕事を無断欠勤してる！」
絶望のあまり、第一声はそれだった。さすがは地球で訓練された社畜。どうなんだそれ。
もう地球の大地を踏みしめることもないのだから、無用な心配である。
「そう……ですか。私は奴隷になったんですね」
とりあえず、さっきのはなかったとこにして取り繕うように普通の反応を付け加える。
「オイオイ嬢ちゃん頭大丈夫か？」
当たり前のようなツッコミが阿伏兎から飛んできたがシカトする。
あまりにも残酷な現実に打ちのめされていると、見覚えのある朱髪が牢屋に向かって歩いてくるのが目に入った。
まさか、と驚いて顔を上げると、
「神威……」
最初から、騙されていたのだろうか。
自分はなんて滑稽なのだろう。
「A、なんでここに？」
Aの落胆とは裏腹に、神威の口からはそんな言葉が紡がれた。
青い瞳を見開いて、焦った様子。その表情と口調からは、初めて知ったかのように感じられる。
──本当に偶然？
それなら、恩を返してもらう絶好の機会かもしれない。
しかし、たかだか8万ちょっとで人間一人分の値段をチャラにするのは難しいだろう。
そんなときは交渉を持ちかけるしかない。
対等に交渉するには足る金額だろうから。
「借金取りに来たの。神威、私と取引をしよう」
Aは怯えを隠して堂々とした態度で取引を提案した。
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夢宵桜(プロフ) - 琥珀糖さん» 読みにくくてすみません…。配色を少し変えてみましたが、如何でしょうか。 (4月1日 6時) (
レス) id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - 色盲とかではないのですが、背景と文字の色が同系統すぎて読めません。可能でしたら変更して頂きたいです。 (4月1日 1時) (レス) id: 02d9a0ed5d (このIDを非表示/違反報告)
夢宵桜(プロフ) - 名無し5059号さん» 見えない色と見える色を教えて頂けますか？ 私は色盲についての知識が浅いため、今の配色のどの部分が見えないか教えて頂けたら、対処法を考えられるかもしれません。 (2月16日 23時) (レス) @page46 id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5059号(プロフ) - 色盲で文字が見えないけど対処法ありますか? (2月16日 22時) (レス) @page1 id: 427c7b5a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢宵桜 | 作者ホームページ：https://lit.link/dreamfairy
作成日時：2023年12月13日 23時
