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7-3 ページ44



 しんみりした空気を破るように、神威は明るく次の行動を話す。

「それじゃあ、視界も良くなったし、宮殿に行こう。一人で置き去りにしたら死んじゃいそうだから、Aも連れてくよ」

 そう言って、神威はAを背負う。地球人の足の速さに合わせていられない。

「手ぇ離すなよ。俺から離れないで」
「わかった。まだ傷口は塞がってないんだから、無理しないでね」

 神威の体温を感じながら、Aは話す。また足手まといになるのは嫌だ。

 こうして、二人は目的地を目指す。今なら見える、詩辺螺星の宮殿に。





 時は吹雪の始まりに遡る。
 阿伏兎は数人の団員と遭難していた。吹き荒ぶ冷たい風が、視界を遮る。

──どうも、嫌な予感がすんだよな。

 詩辺螺星に来てから違和感ばかりだ。
 こうして団員が散り散りになって、自分達の居場所すらわからなくなるのも、仕組まれたことのように感じる。

「オイお前ら、俺達ァたぶん不利だ。吹雪が収まるまで待──避けろォ!」

 阿伏兎の警告で、団員達は臨戦態勢になる。
 天候の悪さで戦いにくい。おまけに農民にしては動きがいい。

「クソッ。戦況が悪い。他の団員を探して合流するぞ」

 判断を(たが)えれば、貴重な同胞が減ってしまう。合理的な指示を出さねばならない。

 阿伏兎は倒した農民の農具を地面に突き立てた。そこに、農民の服を破った端切れを結びつけて、目印にする。
 ポケットから通信機を取り出し、他の団員への連絡を試みる。連絡がついたところで、お互い自分の位置がわからないのが一番の問題である。
 とりあえずは、今作った簡易的な目印が役立てばいいのだが。





 吹雪が止み、神威が運んで宮殿付近に着いたAは作戦を話す。

「奥に黒幕がいるはずだから、私はそこに行く。たぶん、私達が気づいたことはバレてないはずだから、中の警備は手薄だと思う」

「手薄じゃない方が楽しそうだったんだけどね」

「外は、散らばってる阿伏兎達が外で上手くやってるといいのだけど」

「ここの農民……いや、兵士は厄介だったからな。地の利を知ってた」

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夢宵桜(プロフ) - 琥珀糖さん» 読みにくくてすみません…。配色を少し変えてみましたが、如何でしょうか。 (4月1日 6時) (レス) id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - 色盲とかではないのですが、背景と文字の色が同系統すぎて読めません。可能でしたら変更して頂きたいです。 (4月1日 1時) (レス) id: 02d9a0ed5d (このIDを非表示/違反報告)
夢宵桜(プロフ) - 名無し5059号さん» 見えない色と見える色を教えて頂けますか? 私は色盲についての知識が浅いため、今の配色のどの部分が見えないか教えて頂けたら、対処法を考えられるかもしれません。 (2月16日 23時) (レス) @page46 id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5059号(プロフ) - 色盲で文字が見えないけど対処法ありますか? (2月16日 22時) (レス) @page1 id: 427c7b5a4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢宵桜 | 作者ホームページ:https://lit.link/dreamfairy  
作成日時:2023年12月13日 23時

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