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詩辺螺星の短い昼が終わり、長い夜が始まろうとしていた。吹雪の冷たい風と、夜の凍てつく気温が、急激に体温を奪っていく。
Aが目を擦りながら口を開く。
「……どうしよう……眠い……」
「今はダメ。寝たら許さな──」
言い終わらないうちに、神威が何かに気づいた。咄嗟に、Aの腕を掴んで引き寄せる。
強い力で引っ張られたAは神威の胸に抱き止められる。慌てて振り返ると、さっきまでいた場所に農具が刺さっていた。
「ありがとう。もう少しで死ぬところだった」
「寝てる暇はなさそうだね」
そう言いながら、Aを肩に担いで戦闘状態に入る神威。
しかし、分が悪い。氷点下の気温が体力を奪い、
さらに、ここの住民達には地の利がある。吹雪で視界が悪くても自由に動き回れるくらいに知り尽くしているし、自分達を見つけて仕掛けてくるくらいには目が慣れている。
そんな中で、Aを庇いながら一対多数は難しい。避けきれない攻撃で血を流す。
Aもピストルを取り出して、近づいてくる敵を狙って撃つ。当たる方が少ないが、視界の悪いここでは、音が威嚇になる。
──弾、もつかな。
残りの弾数は少なくて心許ない。神威の消耗も激しく、あちこち怪我をしている。
Aの顔めがけて、鍬が飛んできた。
他の攻撃を受け止めるのに手が塞がっている神威は素早く身体を捻り、肩に担ぐAの位置をずらす。
「神威!!」
鍬は神威に刺さっていた。
Aを庇うのが精一杯だったらしい。刺さった場所から、血が流れ落ちていく。それでも、抱えたAを離さない。
「私のことはいいから！」
「夜兎はこのくらいじゃ死なないさ」
強がってはいるが、余裕はなさそうだ。
「ねぇ、走れる？」
「楽勝」
この状態でAを抱えて走るのは、どう考えても楽勝ではない。しかし、他に方法はない。
「……わかった。爆弾使うから、走って」
「Aって結構大胆だよね」
「女の子ってのは、大胆な方が魅力的でしょ？」
「何言ってんだか。……3つ数えたら抜ける」
Aはがさごそと手榴弾を取り出し、準備する。
「1、2、3。動くよ」
神威のカウントに合わせて、手榴弾を元いた場所に投げる。自分達を襲おうと飛びかかっていた男達が、爆煙に巻き込まれて見えなくなる。
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夢宵桜(プロフ) - 琥珀糖さん» 読みにくくてすみません…。配色を少し変えてみましたが、如何でしょうか。 (4月1日 6時) (
レス) id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - 色盲とかではないのですが、背景と文字の色が同系統すぎて読めません。可能でしたら変更して頂きたいです。 (4月1日 1時) (レス) id: 02d9a0ed5d (このIDを非表示/違反報告)
夢宵桜(プロフ) - 名無し5059号さん» 見えない色と見える色を教えて頂けますか？ 私は色盲についての知識が浅いため、今の配色のどの部分が見えないか教えて頂けたら、対処法を考えられるかもしれません。 (2月16日 23時) (レス) @page46 id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5059号(プロフ) - 色盲で文字が見えないけど対処法ありますか? (2月16日 22時) (レス) @page1 id: 427c7b5a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢宵桜 | 作者ホームページ：https://lit.link/dreamfairy
作成日時：2023年12月13日 23時
