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 神威が驚きのあまり言葉に詰まっていると、Aが話し出した。

「今まで八つ当たりしてごめんね。元々、私が捕まったことは神威とは関係ないことだったし、むしろ神威がいたおかげで、私は牢から出られたし」

 青玉(サファイア)の瞳を真っ直ぐに見ながら、心の内を話す。

「まぁ最初のレストランでの事件は神威が悪いけどね。でも、それでも足りないくらいの待遇をしてもらってる、って感じてる」

 相手は最強の宇宙海賊なのだ。こんな風にナメた口聞いても無事でいられるってだけでも丸儲けなのに。
 手厚い配慮に、身の安全の保証。チョロまかせないとわかっていて、Aを安全圏に隠そうとしたことも。そして、買い物にも付き合ってくれる。なんて高待遇なのだろう。
 そんな相手に、八つ当たりしてしまうなんてね。やっぱり自身の幼さに恥ずかしくなってしまう。自分は何をやっていたのだろう、と。

「ありがとう、牢から出してくれて。私を雇って、安全な場所を与えてくれて。──感謝してる」

 お礼を言いながら、気づいた。
 そういえば、助けてもらったお礼をまだ言っていなかった。A自身が追い詰められていて、感謝する余裕がなかった、と。
 最後はなんでもお金の話に走っていたのは、現状を直視する心の余裕がなくて、カラ元気と虚勢だったのかもしれない、と。

「俺は有能な秘書を一人雇っただけだよ」

 いつもの飄々とした空気とは打って変わって、神威の声にはどこか温かさがあった。

「宇宙船に戻ろう。さっきの電話で、上からの仕事が入った」

 流れるようにAの買った荷物を持つ神威。

──こんな気遣いまでできるとは。

 ちなみに、阿伏兎の教育の賜物である。
 有能な秘書に逃げられたくない阿伏兎は、神威にAを接待するよう言い含めていた。神威なら、ただの接待には応じなかっただろうけど──。

「あ、紙幣計数機、売ってるかな」
「ファッション街にはないでしょ」
「それもそうだね」

 そんなやり取りの後、二人は阿伏兎にお土産を持って帰ることになる。

「……あった」
「マジかよ」


作者の独り言
チャイナ服とパソコン、やっと春雨の秘書スターターキットが揃いました(遠い目)

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夢宵桜(プロフ) - 琥珀糖さん» 読みにくくてすみません…。配色を少し変えてみましたが、如何でしょうか。 (4月1日 6時) (レス) id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - 色盲とかではないのですが、背景と文字の色が同系統すぎて読めません。可能でしたら変更して頂きたいです。 (4月1日 1時) (レス) id: 02d9a0ed5d (このIDを非表示/違反報告)
夢宵桜(プロフ) - 名無し5059号さん» 見えない色と見える色を教えて頂けますか? 私は色盲についての知識が浅いため、今の配色のどの部分が見えないか教えて頂けたら、対処法を考えられるかもしれません。 (2月16日 23時) (レス) @page46 id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5059号(プロフ) - 色盲で文字が見えないけど対処法ありますか? (2月16日 22時) (レス) @page1 id: 427c7b5a4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢宵桜 | 作者ホームページ:https://lit.link/dreamfairy  
作成日時:2023年12月13日 23時

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