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「昨日、破鳥のトップを牢に入れておいたよ」
「ダ、誰ダッケソレ」
「おい、昨日あんなに騒いでたろ」
目を逸らしてすっとぼけるA。笑顔でキレそうになる神威。気遣いを返せ。だって恥ずかしいから無かったことにしたいんだもん。
「その感じなら、もうアイツはいいの?」
「朝起きたらどうでも良くなってたよ」
Aは席を立って、
「この景色は、地球にいたら見れなかっただろうから」
そして、振り向いて神威に向き直った。
透き通った
「ここでしばらく秘書をやるのも、悪くない気がして」
そう言ってAはポケットから折り畳まれた紙を出して広げる。
「買い物に付き合ってくれる素敵な団長様がいるからね!」
神威のポケットマネーでAが買い物をするという契約書を、印籠のようにドヤァっとつきつけた。
──俺の気遣いを返せ。
こうして、第七師団の日常が幕を開ける。
「ということで、一番近いショッピングができる星はどこ?」
制御室にて。
正面の大きなスクリーンには、宇宙船につけられた外構カメラの映像や、星図、運転状況のパラメーター等が表示されている。
それを見ながら、神威が近くの星にアタリをつける。
「ここからだと、2時の方向に
美屯星。銀河中のファッションリーダーが買い物をする、星そのものがショッピングモールのような場所である。
「いいね。買い物にピッタリ」
Aは二つ返事で承諾する。
行き先が決まった宇宙船は、加速して星空を直進した。
「そういえば、阿伏兎は?」
今日、Aはまだ阿伏兎の姿を見ていない。
「阿伏兎なら、団員達と昨日持ち帰った札束の枚数を数えてるよ」
「あ、そういえば、金庫壊せたんだった」
「大量に積み込んでたから、人海戦術で分けて数えさせるって阿伏兎が言ってたな」
「着くまで私も参戦してくる!」
金勘定と言えばA。Aと言えば金勘定。稼いできた本人がいなければ始まらない。
地球で普通に過ごしていたら絶対に触れない数のお
元気よくパタパタと足音を立ててイベント会場ならぬカウント会場に向かうAを見送って、神威も制御室を後にした。
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夢宵桜(プロフ) - 琥珀糖さん» 読みにくくてすみません…。配色を少し変えてみましたが、如何でしょうか。 (4月1日 6時) (レス) id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - 色盲とかではないのですが、背景と文字の色が同系統すぎて読めません。可能でしたら変更して頂きたいです。 (4月1日 1時) (レス) id: 02d9a0ed5d (このIDを非表示/違反報告)
夢宵桜(プロフ) - 名無し5059号さん» 見えない色と見える色を教えて頂けますか? 私は色盲についての知識が浅いため、今の配色のどの部分が見えないか教えて頂けたら、対処法を考えられるかもしれません。 (2月16日 23時) (レス) @page46 id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5059号(プロフ) - 色盲で文字が見えないけど対処法ありますか? (2月16日 22時) (レス) @page1 id: 427c7b5a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢宵桜 | 作者ホームページ:https://lit.link/dreamfairy
作成日時:2023年12月13日 23時