5.感謝の心は忘れるな ページ27
破鳥を撃破した翌日。
Aは重い足取りで執務室に向かう。神威と阿伏兎は確実にいるだろう。顔を合わせることは避けられない。
──は、恥ずかしいッ。あんな錯乱した姿を見られたなんて。完全にダルい人じゃん私。
喚いて泣いた挙句に寝落ちとか、羞恥心で宇宙の藻屑になりそうだ。
普段なら、あんな失態はおかさないのに。
──何事もなかったかのように。平常心、平常心。
呪詛のように自分に言い聞かせながら、執務室の前で立ち止まる。
──もうどうにでもなれ！
覚悟を決めた、もとい、開き直ったAが勢いよく執務室に入る。
──誰もいない。
一人で茶番をしている寂しい人だった。
虚しくなって席につく。
机の上の荷物を見て、昨日の戦利品を思い出した。
まずは宇宙法全書。厚さ15cmの極太書籍。破鳥のボスを殴ったのはこれだ。
続いて鞄の中身。
後半が物騒なのは、自分の身を守れそうな武器を探していたからだ。
──んふふふふ。ハイスペックPC。これで作業が
傍から見たらヤバい人のような笑みを浮かべ、パソコンに頬擦りする。
その最悪の瞬間を、たった今執務室に入ってきた人物に目撃されてしまった。
「あ、ごめん。お取り込み中だったね、出直すよ」
神威である。ドン引きしている。
「ご、誤解だよ誤解！」
昨日の羞恥心が大したことなくなるくらい、危うい現場を見られてしまった。
「そんなパソコン、どこで拾ってきたの？」
「ふふん。見てよこの戦利品を。パソコンもその一つだよ。昨日破鳥からもらって来ちゃった♡」
もう取り繕う気もなくなって、Aはヤケクソで説明する。
「昨日の鞄はそれだったんだ。Aは俺達よりよっぽど海賊らしいことしてるよ」
呆れ混じりに、神威が褒め言葉とも皮肉とも取れるコメントを残す。
そんな軽口の後、神威は急に真面目な顔になった。何か大事な話をするぞ、とAは身構える。きっと、昨日のことだ。
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夢宵桜(プロフ) - 琥珀糖さん» 読みにくくてすみません…。配色を少し変えてみましたが、如何でしょうか。 (4月1日 6時) (
レス) id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - 色盲とかではないのですが、背景と文字の色が同系統すぎて読めません。可能でしたら変更して頂きたいです。 (4月1日 1時) (レス) id: 02d9a0ed5d (このIDを非表示/違反報告)
夢宵桜(プロフ) - 名無し5059号さん» 見えない色と見える色を教えて頂けますか？ 私は色盲についての知識が浅いため、今の配色のどの部分が見えないか教えて頂けたら、対処法を考えられるかもしれません。 (2月16日 23時) (レス) @page46 id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5059号(プロフ) - 色盲で文字が見えないけど対処法ありますか? (2月16日 22時) (レス) @page1 id: 427c7b5a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢宵桜 | 作者ホームページ：https://lit.link/dreamfairy
作成日時：2023年12月13日 23時
