1.不審な兎は安易に拾うな ページ2
『今日の江戸は気温38℃、雲一つない快晴です。熱中症には気をつけてお過ごしください』
街頭ディスプレイで結野アナの天気予報が流れている。猛暑日を迎えた江戸は、ギラギラと照りつける太陽の光で、向こうのビルが揺らめいている。
そんな江戸の一角で、ATMと睨めっこする少女が一人。
「今月もカツカツだな〜」
Aは生活費を下ろした後の通帳を見て呟いた。
10万円口座から引き出したけど、半分は大家に渡す家賃で消えてしまう。残りの半分で食費と水道光熱費を払ったら、あっという間に消えてしまう。
Aはただの、どこにでもいる少女。戦闘能力が高い訳でも、芸能人のようなカリスマ性もない。
ただただ、生きるために同じ毎日を淡々と過ごしている。
早くに親と親戚を亡くしたAは、都会に出て生活費を稼ぐくらいしか食い扶持がない。
だからといって、何もできない訳ではなかった。
賢くて、聡い娘。江戸に来る前は、田舎の実家で毎日本を読んでいた。だから、知識はそれなりにある。知的好奇心はAを秀才に育て上げた。
しかし、田舎で本を読んでいただけの後ろ盾のない小娘が、都会に出稼ぎに出たところで、高給職につけるはずもない。
そういうのは大体がお偉いさんの子供とか、知名度の高い教育機関を卒業したとか、そういう奴らが居座っているのが世の常である。
かくして、Aは低所得者として江戸の隅っこで限界社畜として生きている。
最近知り合った子がキャバを勧めてきたけど、踏み出す勇気がなくて、飢餓寸前になるまでは昼職で食っていきたい。
「それにしても、暑いなぁ。日差しが憎い」
100均で買った桜柄の扇子をパタパタと仰いで、帰途につく。
ハンディファンは電気代のかかる贅沢品なので持っていません。100均の扇子は経済的にも環境にも優しいのよ。
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夢宵桜(プロフ) - 琥珀糖さん» 読みにくくてすみません…。配色を少し変えてみましたが、如何でしょうか。 (4月1日 6時) (
レス) id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - 色盲とかではないのですが、背景と文字の色が同系統すぎて読めません。可能でしたら変更して頂きたいです。 (4月1日 1時) (レス) id: 02d9a0ed5d (このIDを非表示/違反報告)
夢宵桜(プロフ) - 名無し5059号さん» 見えない色と見える色を教えて頂けますか？ 私は色盲についての知識が浅いため、今の配色のどの部分が見えないか教えて頂けたら、対処法を考えられるかもしれません。 (2月16日 23時) (レス) @page46 id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5059号(プロフ) - 色盲で文字が見えないけど対処法ありますか? (2月16日 22時) (レス) @page1 id: 427c7b5a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢宵桜 | 作者ホームページ：https://lit.link/dreamfairy
作成日時：2023年12月13日 23時
